毎年、夏や冬になると質を落として量を増やす方向に練習内容を変えていくというのが常識になっています。
さて、そのことについて疑問を持ったことはありませんか。
多く言われている理由として、春はトラックで調整が多いから距離をあまり走れない、または秋に駅伝があり長い距離を走るから、冬や夏にその走りこみをするからということがあげられるでしょう。
ここで考えるのが、本当に距離を稼ぐことで速く走れるようになるのかということ。
そこで注目されているのが月間走行距離についてです。
雑誌やインタビューで、この月に「1000km走った」、「1200km走った」などとその距離に驚くばかりの記述が多く見られます。
また、速くなるために月にどのくらい走ればよいのですかと聞かれたりすることもあります。
ですが、そこに焦点を当てすぎて惑わされてはいけません。
まず、この距離は結果であって目的ではありません。
さらに、練習の基本であるjogひとつにとっても、雑誌にあげられている選手と私たちでは、ベースが違います。
私の知り合いで、数年前にニューイヤー実業団駅伝で優勝したときの主将と話をする機会があったのでこの辺について聞いてみたのですが、LSD以外のjogはだいだいキロ4分台だそうです。また、確かに走り込みの時期として約1000km走ることもあるが、マラソンをやることがなければ平均としては700km前後だそうです。
また、今月4月号の月刊陸上にもありましたモーゼス・モソプの3か月の練習プログラムを見ると、900km、800km、700kmとありました。
あ、モーゼス・モソプ選手というのは、昨年に非公認ですがボストンマラソンにて2時間3分6秒で走った方です。
まぁこの辺であれば不思議はないんじゃないとも思われるでしょう。
あまりネタバレすると会社の人に申し訳ないので、簡単にして述べると特別なことはありませんでした。ただ、つなぎのjogが速い。km4分前後と。なので、1時間jogとした場合、普通の人がkm6分で10kmのところ、この人たちは15km以上走っているのです。また、ポイント時の距離も長いです。
以上のように、もともとのベースが違うものが真似して1000kmとかなんだかんだと行うと、間違いなく故障のリスクが跳ね上がるでしょう。私、真似したら確実に故障する自信あります。
ちなみに私個人の思いですが、それだけの練習をする方ほど活躍できた時期も短いような気もします。オリンピック金メダリストであった高橋選手や野口選手のように、後半は故障に悩まされていました。また、実業団の選手たちもベースは高いといえど、それだけの距離を走ると、故障が多いところもあったりと。
たくさん走っても故障がない、少ない選手なんて数少ないです。世界のトップレベルにまで行き着くとしたら、そこまでの練習をというかもしれませんが、それができる方もほんの一握りです。
どのくらいまでの距離なら、故障のリスクが高くならないのかはそれぞれのベースによって異なるので一概にはいえません。ただ、トップレベルの方でも故障するのですから、安易にこれこれの距離を走るべきだというのは好ましくないということです。
まぁ逆に少なく走っても故障する方は故障しますが、どうせなら故障なく速く走れるようになったほうが良い!
フルマラソンをメインで走るためならともかく、トラックなどの短い距離がメインであれば距離ありきの考え方を変えるべきだと思います。多くの距離をこなすことのリスクを考えると、最低限の距離でももっと効率的・効果的な方法があるのではないかというのが私のスタンスであり、このメモを読む方への願いです。どうせやるなら楽しく故障なく速く走れる方が良いですもんね。
さて、ここで質とか量について考えます。
質や量について陸上競技と考えられる意味を辞書で調べてみると、
質は「内容の良否、価値」、量は「何かを行うことによって得られた数値や限度」でした。
この意味からすると、陸上での表現的には質を落とすということは、悪くするというよりも強度、または負荷を下げると言う方が合っていると思われます。しかし、質は内容の良否、価値であることから陸上での観点からちょっと異なります。
そこで、ここでは一般的にのっとって質が良いというものは内容が良い、あるいは価値が高いものとして考えたいと思います。
そして量の練習として、LSDやペース走、距離走があげられていますが、これは質ともいえるのでは。
また、量は基本的に数値や限度ということからその距離や時間があげられると思われます。
このLSDやペース走、距離走も目的によっては十分質が高いものになるので質を落として量を増やすという表現もおかしいのです。
また、800mのトップレベルの練習を見てみると、LSDとかはやっていないという話も聞きますし。150mや200m、600mなど1000m未満での練習をすることが多いそうです。でも、本数を多くすれば、質が高いまま量的な練習にもなります。
たとえばですが、ここを見ている方の中に高校時代の合宿などで100m×100本とかをやられていたかもしれません。これ一見、量的な練習で根性練だけかと思いきや、実はこれ量が多いだけではなく質が高い練習でもあるんです。ちゃんと、速筋を鍛えるという意味で。
また、量を落とす、つなぎのジョグをするなども積極的休養として目的がしっかりしているのであれば、質は高いものとなりますし。
なぜ、質と量、このようなことを述べたかというと、時々書籍やHPなどで見たり聞いたりしているとこの表現と意味が混同されたり、混乱しているようなので。
そこでじゃあどうすればよいのかというと、まずは質を考え内容を良いものにする。
その次に自分が狙った距離に対応してその量を増減させると。800mなら800mに合った練習、マラソンならマラソンに合った練習、それが積み重ねていった結果が月間走行距離になる、こうしたやり方がベストかと思われます。
このとき、マラソンであれば、その距離をこなせるようになるため走る距離は自然に多くなる。
しかし800mは速いスピードで走ることが重要なため、身体の負担を考えると、距離は少なくなりますが、ただ、それだけなので月間走行距離を気にする必要はないのです。
結果が少なかろうが、多かろうがちゃんと速くなることを考えて、故障のリスクに気を付けつつ自分の目標に見合った練習をすればよいだけなのです。
さて、そのことについて疑問を持ったことはありませんか。
多く言われている理由として、春はトラックで調整が多いから距離をあまり走れない、または秋に駅伝があり長い距離を走るから、冬や夏にその走りこみをするからということがあげられるでしょう。
ここで考えるのが、本当に距離を稼ぐことで速く走れるようになるのかということ。
そこで注目されているのが月間走行距離についてです。
雑誌やインタビューで、この月に「1000km走った」、「1200km走った」などとその距離に驚くばかりの記述が多く見られます。
また、速くなるために月にどのくらい走ればよいのですかと聞かれたりすることもあります。
ですが、そこに焦点を当てすぎて惑わされてはいけません。
まず、この距離は結果であって目的ではありません。
さらに、練習の基本であるjogひとつにとっても、雑誌にあげられている選手と私たちでは、ベースが違います。
私の知り合いで、数年前にニューイヤー実業団駅伝で優勝したときの主将と話をする機会があったのでこの辺について聞いてみたのですが、LSD以外のjogはだいだいキロ4分台だそうです。また、確かに走り込みの時期として約1000km走ることもあるが、マラソンをやることがなければ平均としては700km前後だそうです。
また、今月4月号の月刊陸上にもありましたモーゼス・モソプの3か月の練習プログラムを見ると、900km、800km、700kmとありました。
あ、モーゼス・モソプ選手というのは、昨年に非公認ですがボストンマラソンにて2時間3分6秒で走った方です。
まぁこの辺であれば不思議はないんじゃないとも思われるでしょう。
あまりネタバレすると会社の人に申し訳ないので、簡単にして述べると特別なことはありませんでした。ただ、つなぎのjogが速い。km4分前後と。なので、1時間jogとした場合、普通の人がkm6分で10kmのところ、この人たちは15km以上走っているのです。また、ポイント時の距離も長いです。
以上のように、もともとのベースが違うものが真似して1000kmとかなんだかんだと行うと、間違いなく故障のリスクが跳ね上がるでしょう。私、真似したら確実に故障する自信あります。
ちなみに私個人の思いですが、それだけの練習をする方ほど活躍できた時期も短いような気もします。オリンピック金メダリストであった高橋選手や野口選手のように、後半は故障に悩まされていました。また、実業団の選手たちもベースは高いといえど、それだけの距離を走ると、故障が多いところもあったりと。
たくさん走っても故障がない、少ない選手なんて数少ないです。世界のトップレベルにまで行き着くとしたら、そこまでの練習をというかもしれませんが、それができる方もほんの一握りです。
どのくらいまでの距離なら、故障のリスクが高くならないのかはそれぞれのベースによって異なるので一概にはいえません。ただ、トップレベルの方でも故障するのですから、安易にこれこれの距離を走るべきだというのは好ましくないということです。
まぁ逆に少なく走っても故障する方は故障しますが、どうせなら故障なく速く走れるようになったほうが良い!
フルマラソンをメインで走るためならともかく、トラックなどの短い距離がメインであれば距離ありきの考え方を変えるべきだと思います。多くの距離をこなすことのリスクを考えると、最低限の距離でももっと効率的・効果的な方法があるのではないかというのが私のスタンスであり、このメモを読む方への願いです。どうせやるなら楽しく故障なく速く走れる方が良いですもんね。
さて、ここで質とか量について考えます。
質や量について陸上競技と考えられる意味を辞書で調べてみると、
質は「内容の良否、価値」、量は「何かを行うことによって得られた数値や限度」でした。
この意味からすると、陸上での表現的には質を落とすということは、悪くするというよりも強度、または負荷を下げると言う方が合っていると思われます。しかし、質は内容の良否、価値であることから陸上での観点からちょっと異なります。
そこで、ここでは一般的にのっとって質が良いというものは内容が良い、あるいは価値が高いものとして考えたいと思います。
そして量の練習として、LSDやペース走、距離走があげられていますが、これは質ともいえるのでは。
また、量は基本的に数値や限度ということからその距離や時間があげられると思われます。
このLSDやペース走、距離走も目的によっては十分質が高いものになるので質を落として量を増やすという表現もおかしいのです。
また、800mのトップレベルの練習を見てみると、LSDとかはやっていないという話も聞きますし。150mや200m、600mなど1000m未満での練習をすることが多いそうです。でも、本数を多くすれば、質が高いまま量的な練習にもなります。
たとえばですが、ここを見ている方の中に高校時代の合宿などで100m×100本とかをやられていたかもしれません。これ一見、量的な練習で根性練だけかと思いきや、実はこれ量が多いだけではなく質が高い練習でもあるんです。ちゃんと、速筋を鍛えるという意味で。
また、量を落とす、つなぎのジョグをするなども積極的休養として目的がしっかりしているのであれば、質は高いものとなりますし。
なぜ、質と量、このようなことを述べたかというと、時々書籍やHPなどで見たり聞いたりしているとこの表現と意味が混同されたり、混乱しているようなので。
そこでじゃあどうすればよいのかというと、まずは質を考え内容を良いものにする。
その次に自分が狙った距離に対応してその量を増減させると。800mなら800mに合った練習、マラソンならマラソンに合った練習、それが積み重ねていった結果が月間走行距離になる、こうしたやり方がベストかと思われます。
このとき、マラソンであれば、その距離をこなせるようになるため走る距離は自然に多くなる。
しかし800mは速いスピードで走ることが重要なため、身体の負担を考えると、距離は少なくなりますが、ただ、それだけなので月間走行距離を気にする必要はないのです。
結果が少なかろうが、多かろうがちゃんと速くなることを考えて、故障のリスクに気を付けつつ自分の目標に見合った練習をすればよいだけなのです。
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やぎ
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非公開
自己紹介:
陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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