今回は、中距離、長距離の練習においてよく行われているインターバルについてです。
中でも、インターバルのつなぎについて考えてみましょう。
インターバルのつなぎといえば、基本的にwalkつなぎか、jogつなぎという2つに大別されると思われます。
そして、基本的にwalkは短距離が、jogは長距離が行うものという人がほとんどでしょう。
しかし、中距離と、とくに長距離の人間にこの二つは何が違うのか、と聞いてみると、「これまでやってきたから」、「わざわざ歩く必要がわからない(落としたくない)」、「なんとなく」という何の根拠もない答えが多く、それが常識になっているかのような返事が多く見受けられます。
さて、今回このwalkつなぎ、jogつなぎについて考えてみましょう。
そうすれば、インターバルのつなぎは必ずjogだという凝り固まった考えはいかにも一面だけしか見ていないということに気付くはずです。
一般的にインターバルにおいてjogでのつなぎは、中距離系、長距離系が使う事が多い。
たとえば、400mなり1000mなり疾走した後、200mくらいjogをして2本目にいく。この間60秒から70秒前後。
Walkであれば200mに2~3分くらいかかるため、短時間でつなぐことにより負荷が大きくなると考えていないでしょうか。
では、生理学的にどうか考えてみましょう。まず、復習ですが速く走るに関して必要なものとして、まず速筋、しかしこれにはミトコンドリアと毛細血管が少ないため、持久力が低い。また、クレアチンリン酸の貯蔵量と再合成能力も必要。クレアチリン酸には前回触れたので、これは今回の説明では軽めに触れる程度に(詳しくはこの 記事、酸素のため理論で)
さて、持久力を向上させるためには毛細血管とミトコンドリアの増加をはかりたいのですが、日常的に動員される遅筋では簡単な事なのに、速筋では難しい。そこで、速筋を動員させる簡単なトレーニング法の一つにインターバルがあります。
速筋が動員されるには最大筋力の6割・7割以上の負荷が必要。それを走りで刺激をしようとなると、かなりのスピードで走る必要がある。こうした高い負荷を掛けつつ本数を多くこなすことで、体内でミトコンドリアや毛細血管を増やすための刺激が発生します。つまり、そう考えていくと大切なのは、高い負荷で多くの本数をこなすということ。
そのために大切なことはインターバルの疾走区間だけでなく「つなぎ」についても考える必要があります。
さて、まずはつなぎがjogのほうについてです。適度なペースのjogでつないでいると、心拍数の低下を抑え、代謝物質が利用されるため短時間での疲労やエネルギーの回復には効果的。しかし、jogだと呼吸が完全に整わないまま次の疾走区間へ移行するため、下手すれば呼吸がきつくなり、早い段階でオールアウトする可能性もある。そのため、高い負荷をかけることはできても本数を多くこなすことは困難。
一方、walkでつなぐと心拍数が一気に低下するので、全身への血流が減ってしまうため、体内のエネルギーの再合成や代謝物質の蓄積が起きる。また、jogと比べ呼吸を楽になるため、心拍数面では問題なく、速筋への刺激をメインにできるためしっかり本数を詰めることができる。さらに、前回説明したクレアチリン酸の話もあり、walkの方がクレアチリン酸を回復させることができるので、しっかり強度も高められるわけです。しかし、全体の状況がレースから遠くなるため、心拍数に対する刺激はjogよりも弱い。
つまり、jogでつなくごとにより、エネルギーが回復しきらないようにして細胞の機能改善を狙うか、walkでエネルギーをある程度回復させながら本数をこなし、速筋へのトレーニング効果を狙うか、そのいずれかの目的によって、つなぎの設定が変わってくるというわけです。
さて、どのように組めばよいか、トレーニングの組み合わせ方によっても変わってきます。
基本的にはつなぎはwalkで速筋へトレーニング効果を高めて土台を作り、狙ったレースが近くなれば、徐々にjogにして細胞の機能改善を図りながら、レースに近い状況を作り、レースに対応できるようにしていくという考え方もできます。また、jogを速いペースでやることによってエネルギーの枯渇を早くするという考え方もあるので、その辺は工夫次第で色々できます。
よって、どちらにもメリットデメリットがありますが、以上のことから、つなぎにおいて短距離はwalk、中、長距離はjogという考え方はあまりにも一面的だということに気付いたと思います。そして、これでwalkの有用性にも気付いたかと思いますので、以後のトレーニングにこの辺の考え方を取り入れていってもらえたらと思います。
中でも、インターバルのつなぎについて考えてみましょう。
インターバルのつなぎといえば、基本的にwalkつなぎか、jogつなぎという2つに大別されると思われます。
そして、基本的にwalkは短距離が、jogは長距離が行うものという人がほとんどでしょう。
しかし、中距離と、とくに長距離の人間にこの二つは何が違うのか、と聞いてみると、「これまでやってきたから」、「わざわざ歩く必要がわからない(落としたくない)」、「なんとなく」という何の根拠もない答えが多く、それが常識になっているかのような返事が多く見受けられます。
さて、今回このwalkつなぎ、jogつなぎについて考えてみましょう。
そうすれば、インターバルのつなぎは必ずjogだという凝り固まった考えはいかにも一面だけしか見ていないということに気付くはずです。
一般的にインターバルにおいてjogでのつなぎは、中距離系、長距離系が使う事が多い。
たとえば、400mなり1000mなり疾走した後、200mくらいjogをして2本目にいく。この間60秒から70秒前後。
Walkであれば200mに2~3分くらいかかるため、短時間でつなぐことにより負荷が大きくなると考えていないでしょうか。
では、生理学的にどうか考えてみましょう。まず、復習ですが速く走るに関して必要なものとして、まず速筋、しかしこれにはミトコンドリアと毛細血管が少ないため、持久力が低い。また、クレアチンリン酸の貯蔵量と再合成能力も必要。クレアチリン酸には前回触れたので、これは今回の説明では軽めに触れる程度に(詳しくはこの 記事、酸素のため理論で)
さて、持久力を向上させるためには毛細血管とミトコンドリアの増加をはかりたいのですが、日常的に動員される遅筋では簡単な事なのに、速筋では難しい。そこで、速筋を動員させる簡単なトレーニング法の一つにインターバルがあります。
速筋が動員されるには最大筋力の6割・7割以上の負荷が必要。それを走りで刺激をしようとなると、かなりのスピードで走る必要がある。こうした高い負荷を掛けつつ本数を多くこなすことで、体内でミトコンドリアや毛細血管を増やすための刺激が発生します。つまり、そう考えていくと大切なのは、高い負荷で多くの本数をこなすということ。
そのために大切なことはインターバルの疾走区間だけでなく「つなぎ」についても考える必要があります。
さて、まずはつなぎがjogのほうについてです。適度なペースのjogでつないでいると、心拍数の低下を抑え、代謝物質が利用されるため短時間での疲労やエネルギーの回復には効果的。しかし、jogだと呼吸が完全に整わないまま次の疾走区間へ移行するため、下手すれば呼吸がきつくなり、早い段階でオールアウトする可能性もある。そのため、高い負荷をかけることはできても本数を多くこなすことは困難。
一方、walkでつなぐと心拍数が一気に低下するので、全身への血流が減ってしまうため、体内のエネルギーの再合成や代謝物質の蓄積が起きる。また、jogと比べ呼吸を楽になるため、心拍数面では問題なく、速筋への刺激をメインにできるためしっかり本数を詰めることができる。さらに、前回説明したクレアチリン酸の話もあり、walkの方がクレアチリン酸を回復させることができるので、しっかり強度も高められるわけです。しかし、全体の状況がレースから遠くなるため、心拍数に対する刺激はjogよりも弱い。
つまり、jogでつなくごとにより、エネルギーが回復しきらないようにして細胞の機能改善を狙うか、walkでエネルギーをある程度回復させながら本数をこなし、速筋へのトレーニング効果を狙うか、そのいずれかの目的によって、つなぎの設定が変わってくるというわけです。
さて、どのように組めばよいか、トレーニングの組み合わせ方によっても変わってきます。
基本的にはつなぎはwalkで速筋へトレーニング効果を高めて土台を作り、狙ったレースが近くなれば、徐々にjogにして細胞の機能改善を図りながら、レースに近い状況を作り、レースに対応できるようにしていくという考え方もできます。また、jogを速いペースでやることによってエネルギーの枯渇を早くするという考え方もあるので、その辺は工夫次第で色々できます。
よって、どちらにもメリットデメリットがありますが、以上のことから、つなぎにおいて短距離はwalk、中、長距離はjogという考え方はあまりにも一面的だということに気付いたと思います。そして、これでwalkの有用性にも気付いたかと思いますので、以後のトレーニングにこの辺の考え方を取り入れていってもらえたらと思います。
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やぎ
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陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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