なんか月間ペースになっているなぁ。
さて、今日はストレッチについての話です
ストレッチは基本的に静的ストレッチ(スタティックストレッチング)、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチング)、バリスティックストレッチング、PNFストレッチングの4つがあります。その中でも、一般的なのが静的ストレッチや動的ストレッチでしょう。
さて、今回のテーマは前回取り上げたウォーミングアップに関連して、運動前のストレッチはどうかということを考えていきます。
ここでの運動前のストレッチとは、トレーニングの日であれば本メニューの前、レースの日であればレースの時間前のことを指します。
まず、一般的な静的ストレッチと動的ストレッチの説明を簡単にすると、静的ストレッチは反動をつけずに、ゆっくりと限界の可動域まで筋群を伸ばす方法。また、緊張をほぐすのが目的ですので、運動後のクーリングダウンなどに適している。
一方、動的ストレッチは動きの中で腕や足などをいろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げるストレッチ方法。また、関節周囲筋の動きを潤滑にするのが目的ですので運動前のウォーミングアップなどに適している。
イメージするものとしてわかりやすいのは、静的ストレッチは床に座ってやるようなもの、動的ストレッチは体操や陸上部だとドリルのようなものと、考えてもらえればよいでしょう。
さて、近年の研究では、運動前、つまりウォーミングアップのストレッチにおいて、静的ストレッチは行わない方が良いとする理論が有力です。
たとえば、マックマスター大学における研究ではふくらはぎの筋肉を一定時間ストレッチした後では神経信号の送信に関係する力が弱まり、その状態が15分続き、さらには筋力自体も低下して、もとに戻るのに最長1時間もかかったという報告がある。
そして、ルイジアナ州立大学の研究では、短距離走者を集めて、ストレッチする群とストレッチしない群に分けて、40m3本、1週間のインターバルをあけて行ったところ、ストレッチした群にスピードが低下し、後半に減速が見られました。
この調査を率いたジェイソン・ウィンチェスターは「こうした研究から得られたデータはすべて、トレーニングや大会の前に静的ストレッチするのは避けるべきだということをはっきりと示しています」と述べています。
このように、静的ストレッチングは、パワー発揮あるいはパフォーマンスに対して不利に作用することが明らかになっています。他にも,Pope et al.は、ウォームアップにおける20秒間の静的ストレッチングが、障害の予防に寄与しないことを指摘しています。
一方で、動的ストレッチングはパワー発揮あるいはパフォーマンスを向上させる可能性が報告されている。
そのため、パワー発揮が重視される競技スポーツでは、動的ストレッチングが主流となっています。サッカーで頻用されているブラジル体操もその一つでしょう。
さて、本当に静的ストレッチは不利なのか。しかしながらこれらの報告のストレッチ時間は20秒あるいは30秒である。つまり、長すぎる静的ストレッチは20秒以上同じ姿勢を続けると、筋肉が緩みすぎて、競技パフォーマンスに悪影響を与えるが、実際のスポーツ現場でよく用いられているのは5秒から10秒と、異なっているでしょう。
短ければ大丈夫ともいえませんが、静的ストレッチをやればパワー発揮やパフォーマンスが向上するとも言えません。やってもやらなくても変わらない、ただ長くやってしまうとパワー発揮やパフォーマンスが低下する可能性があるということです。そのため、静的ストレッチを行う際には注意しておくことに越したことはない。
あとはこの時期、つまり冬に静的ストレッチを行うのも望ましくないと考えられます。
ウォーミングアップにおける目的、血流を良くさせること、とくに筋肉を温めることを考えると、jogなどをしたあとレース前に座ってストレッチを行った場合、筋肉が冷えてしまう可能性が高いため逆効果になってしまうことも考えられますね。
そういえば、11月半ばごろにアサファ・パウエル選手のツイスターでもストレッチに関して同じようなことを言っていたのを見たなぁ。どうだと思った方はぜひ探してみてください。
以上のことからトレーニングを行う場合にはストレッチは動的ストレッチを主にやる。静的ストレッチを行う必要性がある場合は、ストレッチの最初のほうで行ってから動的ストレッチに移行する、あるいはトレーニング後に行うとしたほうが良いでのではと思われます。
さて、今日はストレッチについての話です
ストレッチは基本的に静的ストレッチ(スタティックストレッチング)、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチング)、バリスティックストレッチング、PNFストレッチングの4つがあります。その中でも、一般的なのが静的ストレッチや動的ストレッチでしょう。
さて、今回のテーマは前回取り上げたウォーミングアップに関連して、運動前のストレッチはどうかということを考えていきます。
ここでの運動前のストレッチとは、トレーニングの日であれば本メニューの前、レースの日であればレースの時間前のことを指します。
まず、一般的な静的ストレッチと動的ストレッチの説明を簡単にすると、静的ストレッチは反動をつけずに、ゆっくりと限界の可動域まで筋群を伸ばす方法。また、緊張をほぐすのが目的ですので、運動後のクーリングダウンなどに適している。
一方、動的ストレッチは動きの中で腕や足などをいろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げるストレッチ方法。また、関節周囲筋の動きを潤滑にするのが目的ですので運動前のウォーミングアップなどに適している。
イメージするものとしてわかりやすいのは、静的ストレッチは床に座ってやるようなもの、動的ストレッチは体操や陸上部だとドリルのようなものと、考えてもらえればよいでしょう。
さて、近年の研究では、運動前、つまりウォーミングアップのストレッチにおいて、静的ストレッチは行わない方が良いとする理論が有力です。
たとえば、マックマスター大学における研究ではふくらはぎの筋肉を一定時間ストレッチした後では神経信号の送信に関係する力が弱まり、その状態が15分続き、さらには筋力自体も低下して、もとに戻るのに最長1時間もかかったという報告がある。
そして、ルイジアナ州立大学の研究では、短距離走者を集めて、ストレッチする群とストレッチしない群に分けて、40m3本、1週間のインターバルをあけて行ったところ、ストレッチした群にスピードが低下し、後半に減速が見られました。
この調査を率いたジェイソン・ウィンチェスターは「こうした研究から得られたデータはすべて、トレーニングや大会の前に静的ストレッチするのは避けるべきだということをはっきりと示しています」と述べています。
このように、静的ストレッチングは、パワー発揮あるいはパフォーマンスに対して不利に作用することが明らかになっています。他にも,Pope et al.は、ウォームアップにおける20秒間の静的ストレッチングが、障害の予防に寄与しないことを指摘しています。
一方で、動的ストレッチングはパワー発揮あるいはパフォーマンスを向上させる可能性が報告されている。
そのため、パワー発揮が重視される競技スポーツでは、動的ストレッチングが主流となっています。サッカーで頻用されているブラジル体操もその一つでしょう。
さて、本当に静的ストレッチは不利なのか。しかしながらこれらの報告のストレッチ時間は20秒あるいは30秒である。つまり、長すぎる静的ストレッチは20秒以上同じ姿勢を続けると、筋肉が緩みすぎて、競技パフォーマンスに悪影響を与えるが、実際のスポーツ現場でよく用いられているのは5秒から10秒と、異なっているでしょう。
短ければ大丈夫ともいえませんが、静的ストレッチをやればパワー発揮やパフォーマンスが向上するとも言えません。やってもやらなくても変わらない、ただ長くやってしまうとパワー発揮やパフォーマンスが低下する可能性があるということです。そのため、静的ストレッチを行う際には注意しておくことに越したことはない。
あとはこの時期、つまり冬に静的ストレッチを行うのも望ましくないと考えられます。
ウォーミングアップにおける目的、血流を良くさせること、とくに筋肉を温めることを考えると、jogなどをしたあとレース前に座ってストレッチを行った場合、筋肉が冷えてしまう可能性が高いため逆効果になってしまうことも考えられますね。
そういえば、11月半ばごろにアサファ・パウエル選手のツイスターでもストレッチに関して同じようなことを言っていたのを見たなぁ。どうだと思った方はぜひ探してみてください。
以上のことからトレーニングを行う場合にはストレッチは動的ストレッチを主にやる。静的ストレッチを行う必要性がある場合は、ストレッチの最初のほうで行ってから動的ストレッチに移行する、あるいはトレーニング後に行うとしたほうが良いでのではと思われます。
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人間が運動をするときのエネルギー源は、繰り返しになりますが
解糖系(糖質の分解)によってできるATP、有酸素系すなわち酸素を使ってミトコンドリアでできるATPに加え、クレアチリン酸によるものの3種類です。
そこで、今回はこのクレアチリン酸について説明していきます。
クレアチリン酸とは、簡単に言うとATPの貯めです。
ATPは生きるのに必要なものですが、ATPの形としては体内にあまり貯めることはできず、酸素を使ってクレアチリン酸の形にして貯めているということが体内で起きています。
酸素を使って貯めているわけでもあることから、「酸素の貯め」とも言い換えられたりしています。
その量はATPの4~5倍量です(時間にすると7秒程度)。
とくに、短距離ではミトコンドリアの働きが活発になるのが時間的に少し遅れるため、この貯めておいたクレアチリン酸が使われるわけです。つまり、クレアチリン酸があることで急に強度が高い運動ができるともいえるのです。これが、以前記述したATP-CP系にあたります。
こうしたことから、短距離系の話の中において、クレアチリンという用語やサプリメント(サプリメントはクレアチンとしてですが)があると考えられます。
このようにクレアチリン酸という言葉、短距離系でよく聞かれる言葉ですが、中長距離においても、クレアチリン酸が運動をする時、最も重要であるということが推測されています。
なぜならば、中長距離におけるラストスパートにおいて、クレアチリン酸が重要だと考えられるためです。
まぁそこに至るまでの局面である程度の余裕があることが前提ではありますが。
さて、体内にクレアチリン酸が貯められているとお話ししました。それに加え、ヘモグロビンなどに結合されている酸素を合わせ、酸素摂取量に換算すると2リットル程度の量が体内に酸素があると考えることができます。
そして、運動を行う際に、クレアチンリン酸の分解でエネルギーを作り出して運動を開始し、酸素摂取が向上していく中でクレアチンリン酸を再合成し、再びクレアチンリン酸を分解し、というのが繰り返される。
そういったことが起きていることから、クレアチリン酸を枯渇させるほどでない強度で運動を行えばクレアチリン酸をある程度残しておけるとも考えることができます。つまり、最初からクレアチリン酸を枯渇させてしまうような強度のペースではなく、ぎりぎりの余裕を持って走ることにより、ラストスパートを効かせることができるということです。
そうしないで、最初からガンガン行くとクレアチンリン酸が減り、リン酸が溜まって、力が出なくなり、スパートが効かない、という状態になってしまうと考えられます。そのため、最後の1周とか、200mでスパートができず身体が動かない状態になってしまうというのは、こうしたことが考えられるわけです。
さて、これらのことから考えると、クレアチンリン酸が体内に大量に存在するほど、スタート時から大きな力を使えるということにもいえます。
このクレアチリン酸は実は増やすというのはかなり努力が必要とされています。
基本的な増やし方としては、クレアチリン酸を枯渇させることが必要です。クレアチリン酸を枯渇させるような強度の練習(だいだい8割程度の負荷)で20秒程度行い、再合成が完了するとされる120秒以内(短くても60秒たつとある程度回復する)で繰り返し行うことが必要だと考えられます。長時間休めば、それだけクレアチリン酸が回復するので、短めのレストで繰り返しやることが重要です。
みなさんも感じたことあるかもしれせんが、インターバルとか繰り返し、繰り返しやっていって、もう走れないと感じて止めたとします。しかし、10分とか20分休んだ後、ある程度回復して、走ってみると50~100m程度だったら速く走れて、その距離を過ぎていくとやっぱりダメだと感じたことありませんか。
それは休んでいる間にその50~100m分のクレアチリン酸が回復したためだと推測されるわけです。そういうわけでクレアチリン酸を枯渇させていくには短めのレストでつなぐのがいいわけです。(ただ理論上、酸素がある限り、完全に枯渇させることはできないが、それに近づけるということ)
この枯渇させる練習、時間や距離も短いため長距離の練習として取り入れるには流れから難しいところがありますが、中距離、とくに800mには必要な練習だと考えられます。もちろん、長距離においても必要なので、十分練習は積んでいる、しかしスパートで競り負けてしまうといった場合にはこれに取り組んでみるとよいと思います。
解糖系(糖質の分解)によってできるATP、有酸素系すなわち酸素を使ってミトコンドリアでできるATPに加え、クレアチリン酸によるものの3種類です。
そこで、今回はこのクレアチリン酸について説明していきます。
クレアチリン酸とは、簡単に言うとATPの貯めです。
ATPは生きるのに必要なものですが、ATPの形としては体内にあまり貯めることはできず、酸素を使ってクレアチリン酸の形にして貯めているということが体内で起きています。
酸素を使って貯めているわけでもあることから、「酸素の貯め」とも言い換えられたりしています。
その量はATPの4~5倍量です(時間にすると7秒程度)。
とくに、短距離ではミトコンドリアの働きが活発になるのが時間的に少し遅れるため、この貯めておいたクレアチリン酸が使われるわけです。つまり、クレアチリン酸があることで急に強度が高い運動ができるともいえるのです。これが、以前記述したATP-CP系にあたります。
こうしたことから、短距離系の話の中において、クレアチリンという用語やサプリメント(サプリメントはクレアチンとしてですが)があると考えられます。
このようにクレアチリン酸という言葉、短距離系でよく聞かれる言葉ですが、中長距離においても、クレアチリン酸が運動をする時、最も重要であるということが推測されています。
なぜならば、中長距離におけるラストスパートにおいて、クレアチリン酸が重要だと考えられるためです。
まぁそこに至るまでの局面である程度の余裕があることが前提ではありますが。
さて、体内にクレアチリン酸が貯められているとお話ししました。それに加え、ヘモグロビンなどに結合されている酸素を合わせ、酸素摂取量に換算すると2リットル程度の量が体内に酸素があると考えることができます。
そして、運動を行う際に、クレアチンリン酸の分解でエネルギーを作り出して運動を開始し、酸素摂取が向上していく中でクレアチンリン酸を再合成し、再びクレアチンリン酸を分解し、というのが繰り返される。
そういったことが起きていることから、クレアチリン酸を枯渇させるほどでない強度で運動を行えばクレアチリン酸をある程度残しておけるとも考えることができます。つまり、最初からクレアチリン酸を枯渇させてしまうような強度のペースではなく、ぎりぎりの余裕を持って走ることにより、ラストスパートを効かせることができるということです。
そうしないで、最初からガンガン行くとクレアチンリン酸が減り、リン酸が溜まって、力が出なくなり、スパートが効かない、という状態になってしまうと考えられます。そのため、最後の1周とか、200mでスパートができず身体が動かない状態になってしまうというのは、こうしたことが考えられるわけです。
さて、これらのことから考えると、クレアチンリン酸が体内に大量に存在するほど、スタート時から大きな力を使えるということにもいえます。
このクレアチリン酸は実は増やすというのはかなり努力が必要とされています。
基本的な増やし方としては、クレアチリン酸を枯渇させることが必要です。クレアチリン酸を枯渇させるような強度の練習(だいだい8割程度の負荷)で20秒程度行い、再合成が完了するとされる120秒以内(短くても60秒たつとある程度回復する)で繰り返し行うことが必要だと考えられます。長時間休めば、それだけクレアチリン酸が回復するので、短めのレストで繰り返しやることが重要です。
みなさんも感じたことあるかもしれせんが、インターバルとか繰り返し、繰り返しやっていって、もう走れないと感じて止めたとします。しかし、10分とか20分休んだ後、ある程度回復して、走ってみると50~100m程度だったら速く走れて、その距離を過ぎていくとやっぱりダメだと感じたことありませんか。
それは休んでいる間にその50~100m分のクレアチリン酸が回復したためだと推測されるわけです。そういうわけでクレアチリン酸を枯渇させていくには短めのレストでつなぐのがいいわけです。(ただ理論上、酸素がある限り、完全に枯渇させることはできないが、それに近づけるということ)
この枯渇させる練習、時間や距離も短いため長距離の練習として取り入れるには流れから難しいところがありますが、中距離、とくに800mには必要な練習だと考えられます。もちろん、長距離においても必要なので、十分練習は積んでいる、しかしスパートで競り負けてしまうといった場合にはこれに取り組んでみるとよいと思います。
以前の記事でジャック・ダニエルズのことをちらっと出しました。
今回はこの人の話を基に述べていきます。
このジャック・ダニエルズという方は、Runner’s World誌により世界のベストコーチに選出され、ランニング指導の第一人者でもあります。そしてこの人が執筆したDaniels’ Running Formuraの翻訳版が今年の2月に発売され、最高のトレーニング本として称されているようです。
とくにこの本の画期的なところは、あらゆるレベルのランナーにトレーニング時のペースがわかる表を提供してくれるところ。この表を見ることにより、ある種目の自己記録から予測される最大酸素摂取量(VO2max)、多種目の予測記録、最適なトレーニングのペースがわかるというものです。
元々はVO2maxを基にした表を作っていたそうですが、VO2maxが異なるランナーでも記録が変わらないことがあるため、VO2maxにその他の要素も踏まえた指標としてこのVDOTという用語を提唱したとのことです。
まず、下の表は代表的なレース種目のVDOTです。
そして、最近の出場したレースの記録を参考にその記録に該当するVDOTを求める。
たとえば、一般大学生が箱根駅伝予選会の標準記録の16分30秒を切ったときのVDOTだと、62と63の中間だということになります。ここで注意するのは目標記録ではなく、自分のベスト記録から算出(あるいは最近のレースの記録)すること。
VDOT 1500 3K 5K 10K ハーフ フル
45 5'56'' 12'40'' 21'50'' 45'16'' 1:40'20'' 3:28'26''
46 5'49'' 12'26'' 21'25'' 44'25'' 1:38'27'' 3:24'39''
47 5'42'' 12'12'' 21'02'' 43'36'' 1:36'38'' 3:21'00''
48 5'36'' 11'58'' 20'39'' 42'50'' 1:34'53'' 3:17'29''
49 5'30'' 11'45'' 20'18'' 42'04'' 1:33'12'' 3:14'06''
50 5'24'' 11'33'' 19'57'' 41'21'' 1:31'35'' 3:10'49''
51 5'18'' 11'21'' 19'36'' 40'39'' 1:30'02'' 3:07'39''
52 5'13'' 11'09'' 19'17'' 39'59'' 1:28'31'' 3:04'36''
53 5'07'' 10'58'' 18'57'' 39'20'' 1:27'40'' 3:01'39''
54 5'02'' 10'47'' 18'40'' 38'42'' 1:25'04'' 2:58'47''
55 4'57'' 10'37'' 18'22'' 38'06'' 1:24'18'' 2:56'01''
56 4'53'' 10'27'' 18'05'' 37'31'' 1:23'00'' 2:53'20''
57 4'48'' 10'17'' 17'49'' 36'57'' 1:21'43'' 2:50'45''
58 4'44'' 10'08'' 17'33'' 36'24'' 1:20'30'' 2:48'14''
59 4'39'' 9'58'' 17'17'' 35'52'' 1:19'18'' 2:45'47''
60 4'35'' 9'50'' 17'03'' 35'22'' 1:18'09'' 2:43'25''
61 4'31'' 9'41'' 16'48'' 34'52'' 1:17'02'' 2:41'08''
62 4'27'' 9'33'' 16'34'' 34'46'' 1:15'57'' 2:38'54''
63 4'24'' 9'25'' 16'20'' 34'23'' 1:14'54'' 2:36'44''
64 4'20'' 9'17'' 16'07'' 33'55'' 1:13'53'' 2:34'38''
65 4'16'' 9'09'' 15'54'' 33'28'' 1:12'53'' 2:32'35''
66 4'13'' 9'02'' 15'42'' 33'01'' 1:11'56'' 2:30'36''
67 4'10'' 8'55'' 15'29'' 32'35'' 1:11'00'' 2:28'40''
68 4’06” 8’48” 15'18" 31'46" 1:10'05" 2:26'47''
69 4’03” 8’41” 15'06" 31'23" 1:09'12" 2:24'57''
70 4’00 8’34” 14'55" 31'00" 1:08'21" 2:23'10''
71 3’57” 8’28” 14'44" 30'38" 1:07'31" 2:21'26''
72 3’54” 8’22” 14'33" 30'16" 1:06'42" 2:19'44''
73 3’52” 8’16” 14'23" 29'55" 1:05'54" 2:18'05''
74 3’49” 8’10” 14’13" 29'34" 1:05'08" 2:16'29''
次に現在のVDOTを基にしたトレーニング強度の表。
ダニエルズはレースによって、VDOTがわかったとしても、目標としたレースペースと異なっていても強度を一気に上げたりすることはせず、現在のVDOTに沿って少しずつ強度を上げていくことを推奨しています。
つまりどういうことかというと、トレーニングのメニューを考えるとき、私たちは目標タイムからトレーニングのペースを決めてしまいがちです。
たとえば5000mの目標タイムが14分59秒なら、1000m3分で5本など。しかし、それは合理的なやり方とは言えない。ランナーの現状からトレーニングのペースを決めるべきです。つまり、ベスト記録17分05秒だとVDOTが60のところなので、それに即してペース設定するということです。
先ほどの例だと、箱根駅伝の予選会標準記録からすると、5000m16分30秒、VDOT62~63なので、E/Lペースは4’25前後、Mペースは3’45前後、Tペース(1000m)は3’33前後、Iペース(1000m)は3’16前後、Rペース(400m)は73’となります。もし、現行の練習でこれができているのであれば、5000m16分30秒切れる力はあるともいえますが。
VDOT E/Lペース Mペース Tペース Iペース Rペース
1000(E/L) 1000(M) 1000(T) 400(I) 1000(I) 200(R) 400(R)
45 5'46'' 4’56” 4'38'' 102'' 4'16'' 47'' 96''
46 5'40'' 4’51” 4'33'' 100'' 4'12'' 46'' 94''
47 5'34'' 4’46” 4’29'' 98” 4'07'' 45'' 92''
48 5'28'' 4’41” 4'24'' 96'' 4'03'' 44'' 90''
49 5'23” 4’36” 4'20'' 95'' 3'59'' 44'' 89''
50 5'18'' 4’31” 4’15'' 93'' 3'55'' 43'' 87''
51 5'13'' 4’27'' 4’11” 92'' 3'51'' 42'' 86''
52 5'08'' 4'22'' 4’07” 91” 3'48'' 42'' 85''
53 5'04'' 4'18'' 4’04” 90'' 3'44'' 41'' 84''
54 4'59'' 4'14'' 4’00” 88'' 3'41'' 40'' 82''
55 4'55'' 4'10'' 3’56” 87'' 3'37'' 40'' 81''
56 4'50'' 4'06'' 3’53” 86'' 3'34'' 39'' 80''
57 4'46'' 4'03'' 3’50” 85'' 3'31'' 39'' 79''
58 4'42'' 3'59'' 3’45” 83'' 3'28'' 38'' 77''
59 4'38'' 3'55'' 3’43” 82'' 3’25'' 37'' 76''
60 4'35'' 3'52'' 3’40” 81'' 3'23'' 37'' 75''
61 4'31'' 3'49'' 3’37” 80'' 3'20'' 36'' 74''
62 4'27'' 3'46'' 3’34” 79'' 3'17'' 36'' 73''
63 4'24'' 3'43'' 3’32” 78'' 3’15'' 35'' 72''
64 4'21'' 3'40'' 3’29” 77'' 3'12'' 35'' 71''
65 4'18'' 3'37'' 3’26” 76'' 3'10'' 34'' 70''
66 4'14'' 3'34'' 3’24” 75'' 3'08'' 34'' 69''
67 4'11'' 3'31'' 3’21” 74'' 3'05'' 33'' 68''
68 4'08'' 3'28'' 3’19” 73'' 3'03'' 33'' 67''
69 4'05" 3'26" 3’16” 72" 3'01" 32” 66”
70 4'02" 3'23" 3’14” 71" 2'59" 32" 65”
71 4'00" 3'21" 3’12” 70" 2'57" 31" 64”
72 3'57" 3'19" 3’10” 69" 2'55" 31" 63”
73 3'54" 3'16" 3’08” 69" 2'53" 31" 62”
74 3'52" 3'14" 3’06” 68” 2'51" 30" 62”
このとき、E/Lペース、Mペース、Tペース、Iペース、Rペースというのはどういった状態なのか述べていきます。
・E (Easy) & L (Long) Runs
最大心拍数の65-79%のジョグ。低速度のジョギングを行うときのペース。
・MP(Marathon Race pace)
最大心拍数の80-90%。いわゆるマラソンペース。練習だと距離走(ロングのペース走)を行うときのペース。
・T (Threshold Pace)
最大心拍数の88-92%。血中乳酸濃度が急激に増加する直前のペースであり、乳酸閾値を向上させるためのトレーニングのペース。
レースでは60分維持可能なため、選手ではハーフマラソンのペースとなり、市民ランナーでは10kmレースのペースとなる。練習だとペース走あたりで20~60分間。
週間走行距離の10%以内に抑える。
・I(Interval Pace)
最大心拍数の98-100。有酸素性機構に刺激する。すなわち、最大酸素摂取量を向上させるためのトレーニングペース。5分間以下の疾走+疾走時間以下の回復ジョグの反復またはレース距離の1/4以下+疾走時間以下の休息の反復。合計練習量は10kmか週間走行距離は8%以内に抑える。
・R (Rep Pace)
スピードとランニングの経済性を向上させる。レペティションや1分間以下でのショートインターバルのペース。 合計練習量は8kmか週間走行距離の5%以内に抑える。
ここでは、なるべく略して書いているので詳細を読んでみたい方は、この人の翻訳版があるので読んでみると良いでしょう。
今回はこの人の話を基に述べていきます。
このジャック・ダニエルズという方は、Runner’s World誌により世界のベストコーチに選出され、ランニング指導の第一人者でもあります。そしてこの人が執筆したDaniels’ Running Formuraの翻訳版が今年の2月に発売され、最高のトレーニング本として称されているようです。
とくにこの本の画期的なところは、あらゆるレベルのランナーにトレーニング時のペースがわかる表を提供してくれるところ。この表を見ることにより、ある種目の自己記録から予測される最大酸素摂取量(VO2max)、多種目の予測記録、最適なトレーニングのペースがわかるというものです。
元々はVO2maxを基にした表を作っていたそうですが、VO2maxが異なるランナーでも記録が変わらないことがあるため、VO2maxにその他の要素も踏まえた指標としてこのVDOTという用語を提唱したとのことです。
まず、下の表は代表的なレース種目のVDOTです。
そして、最近の出場したレースの記録を参考にその記録に該当するVDOTを求める。
たとえば、一般大学生が箱根駅伝予選会の標準記録の16分30秒を切ったときのVDOTだと、62と63の中間だということになります。ここで注意するのは目標記録ではなく、自分のベスト記録から算出(あるいは最近のレースの記録)すること。
VDOT 1500 3K 5K 10K ハーフ フル
45 5'56'' 12'40'' 21'50'' 45'16'' 1:40'20'' 3:28'26''
46 5'49'' 12'26'' 21'25'' 44'25'' 1:38'27'' 3:24'39''
47 5'42'' 12'12'' 21'02'' 43'36'' 1:36'38'' 3:21'00''
48 5'36'' 11'58'' 20'39'' 42'50'' 1:34'53'' 3:17'29''
49 5'30'' 11'45'' 20'18'' 42'04'' 1:33'12'' 3:14'06''
50 5'24'' 11'33'' 19'57'' 41'21'' 1:31'35'' 3:10'49''
51 5'18'' 11'21'' 19'36'' 40'39'' 1:30'02'' 3:07'39''
52 5'13'' 11'09'' 19'17'' 39'59'' 1:28'31'' 3:04'36''
53 5'07'' 10'58'' 18'57'' 39'20'' 1:27'40'' 3:01'39''
54 5'02'' 10'47'' 18'40'' 38'42'' 1:25'04'' 2:58'47''
55 4'57'' 10'37'' 18'22'' 38'06'' 1:24'18'' 2:56'01''
56 4'53'' 10'27'' 18'05'' 37'31'' 1:23'00'' 2:53'20''
57 4'48'' 10'17'' 17'49'' 36'57'' 1:21'43'' 2:50'45''
58 4'44'' 10'08'' 17'33'' 36'24'' 1:20'30'' 2:48'14''
59 4'39'' 9'58'' 17'17'' 35'52'' 1:19'18'' 2:45'47''
60 4'35'' 9'50'' 17'03'' 35'22'' 1:18'09'' 2:43'25''
61 4'31'' 9'41'' 16'48'' 34'52'' 1:17'02'' 2:41'08''
62 4'27'' 9'33'' 16'34'' 34'46'' 1:15'57'' 2:38'54''
63 4'24'' 9'25'' 16'20'' 34'23'' 1:14'54'' 2:36'44''
64 4'20'' 9'17'' 16'07'' 33'55'' 1:13'53'' 2:34'38''
65 4'16'' 9'09'' 15'54'' 33'28'' 1:12'53'' 2:32'35''
66 4'13'' 9'02'' 15'42'' 33'01'' 1:11'56'' 2:30'36''
67 4'10'' 8'55'' 15'29'' 32'35'' 1:11'00'' 2:28'40''
68 4’06” 8’48” 15'18" 31'46" 1:10'05" 2:26'47''
69 4’03” 8’41” 15'06" 31'23" 1:09'12" 2:24'57''
70 4’00 8’34” 14'55" 31'00" 1:08'21" 2:23'10''
71 3’57” 8’28” 14'44" 30'38" 1:07'31" 2:21'26''
72 3’54” 8’22” 14'33" 30'16" 1:06'42" 2:19'44''
73 3’52” 8’16” 14'23" 29'55" 1:05'54" 2:18'05''
74 3’49” 8’10” 14’13" 29'34" 1:05'08" 2:16'29''
次に現在のVDOTを基にしたトレーニング強度の表。
ダニエルズはレースによって、VDOTがわかったとしても、目標としたレースペースと異なっていても強度を一気に上げたりすることはせず、現在のVDOTに沿って少しずつ強度を上げていくことを推奨しています。
つまりどういうことかというと、トレーニングのメニューを考えるとき、私たちは目標タイムからトレーニングのペースを決めてしまいがちです。
たとえば5000mの目標タイムが14分59秒なら、1000m3分で5本など。しかし、それは合理的なやり方とは言えない。ランナーの現状からトレーニングのペースを決めるべきです。つまり、ベスト記録17分05秒だとVDOTが60のところなので、それに即してペース設定するということです。
先ほどの例だと、箱根駅伝の予選会標準記録からすると、5000m16分30秒、VDOT62~63なので、E/Lペースは4’25前後、Mペースは3’45前後、Tペース(1000m)は3’33前後、Iペース(1000m)は3’16前後、Rペース(400m)は73’となります。もし、現行の練習でこれができているのであれば、5000m16分30秒切れる力はあるともいえますが。
VDOT E/Lペース Mペース Tペース Iペース Rペース
1000(E/L) 1000(M) 1000(T) 400(I) 1000(I) 200(R) 400(R)
45 5'46'' 4’56” 4'38'' 102'' 4'16'' 47'' 96''
46 5'40'' 4’51” 4'33'' 100'' 4'12'' 46'' 94''
47 5'34'' 4’46” 4’29'' 98” 4'07'' 45'' 92''
48 5'28'' 4’41” 4'24'' 96'' 4'03'' 44'' 90''
49 5'23” 4’36” 4'20'' 95'' 3'59'' 44'' 89''
50 5'18'' 4’31” 4’15'' 93'' 3'55'' 43'' 87''
51 5'13'' 4’27'' 4’11” 92'' 3'51'' 42'' 86''
52 5'08'' 4'22'' 4’07” 91” 3'48'' 42'' 85''
53 5'04'' 4'18'' 4’04” 90'' 3'44'' 41'' 84''
54 4'59'' 4'14'' 4’00” 88'' 3'41'' 40'' 82''
55 4'55'' 4'10'' 3’56” 87'' 3'37'' 40'' 81''
56 4'50'' 4'06'' 3’53” 86'' 3'34'' 39'' 80''
57 4'46'' 4'03'' 3’50” 85'' 3'31'' 39'' 79''
58 4'42'' 3'59'' 3’45” 83'' 3'28'' 38'' 77''
59 4'38'' 3'55'' 3’43” 82'' 3’25'' 37'' 76''
60 4'35'' 3'52'' 3’40” 81'' 3'23'' 37'' 75''
61 4'31'' 3'49'' 3’37” 80'' 3'20'' 36'' 74''
62 4'27'' 3'46'' 3’34” 79'' 3'17'' 36'' 73''
63 4'24'' 3'43'' 3’32” 78'' 3’15'' 35'' 72''
64 4'21'' 3'40'' 3’29” 77'' 3'12'' 35'' 71''
65 4'18'' 3'37'' 3’26” 76'' 3'10'' 34'' 70''
66 4'14'' 3'34'' 3’24” 75'' 3'08'' 34'' 69''
67 4'11'' 3'31'' 3’21” 74'' 3'05'' 33'' 68''
68 4'08'' 3'28'' 3’19” 73'' 3'03'' 33'' 67''
69 4'05" 3'26" 3’16” 72" 3'01" 32” 66”
70 4'02" 3'23" 3’14” 71" 2'59" 32" 65”
71 4'00" 3'21" 3’12” 70" 2'57" 31" 64”
72 3'57" 3'19" 3’10” 69" 2'55" 31" 63”
73 3'54" 3'16" 3’08” 69" 2'53" 31" 62”
74 3'52" 3'14" 3’06” 68” 2'51" 30" 62”
このとき、E/Lペース、Mペース、Tペース、Iペース、Rペースというのはどういった状態なのか述べていきます。
・E (Easy) & L (Long) Runs
最大心拍数の65-79%のジョグ。低速度のジョギングを行うときのペース。
・MP(Marathon Race pace)
最大心拍数の80-90%。いわゆるマラソンペース。練習だと距離走(ロングのペース走)を行うときのペース。
・T (Threshold Pace)
最大心拍数の88-92%。血中乳酸濃度が急激に増加する直前のペースであり、乳酸閾値を向上させるためのトレーニングのペース。
レースでは60分維持可能なため、選手ではハーフマラソンのペースとなり、市民ランナーでは10kmレースのペースとなる。練習だとペース走あたりで20~60分間。
週間走行距離の10%以内に抑える。
・I(Interval Pace)
最大心拍数の98-100。有酸素性機構に刺激する。すなわち、最大酸素摂取量を向上させるためのトレーニングペース。5分間以下の疾走+疾走時間以下の回復ジョグの反復またはレース距離の1/4以下+疾走時間以下の休息の反復。合計練習量は10kmか週間走行距離は8%以内に抑える。
・R (Rep Pace)
スピードとランニングの経済性を向上させる。レペティションや1分間以下でのショートインターバルのペース。 合計練習量は8kmか週間走行距離の5%以内に抑える。
ここでは、なるべく略して書いているので詳細を読んでみたい方は、この人の翻訳版があるので読んでみると良いでしょう。
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この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
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