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中距離の800mにおいて600m+200m、(1500mだと1200m+300m、おまけで短距離だと300m+100m)のように、はじめ一度600m走って200mjogなりwalkなり休んでまた200m走るという練習がよく見られます。

この練習のとき、+200mを行う際には感覚的には苦しい練習なので、ラストスパートの練習だとか耐乳酸の練習になると思っている方が多いのではと思われます。

しかし、実は筋肉内においては+200mを行う時、きつい感覚ではなく、回復している状況です。
なぜならば、最初走ってから200m走るあるいは歩く時間は短くてもだいだい80秒から90秒前後でしょう。その間に、クレアチンリン酸が再合成されているのです。そうすると+200mの時点でそのクレアチンリン酸を使うことができ、実際のレース状況とは異なった練習となりレースの終盤につながった練習かというとそうでもないのです。

さらに、最初に走った際にできる二酸化炭素は遅れて出てくるため、呼吸は荒くなり、感覚的にはきつい(二酸化炭素は、酸を使って糖や脂肪からエネルギーを作った時にできる副産物)。
そして最初の600mでできた乳酸が遅れて血液に出てくるため、血中乳酸濃度も高くなります。
それで乳酸に耐えるには乳酸が多くできる中で走ると思いこんでの練習とされるが、実際には感覚のきつさと筋のきつさとに差が出ている。
レース後半の状況では、本来クレアチンリン酸がなくリン酸が蓄積して筋がうまく働けない状況なのに、+200mの局面ではクレアチンリン酸があり、リン酸が減っている状況になっています。
つまり、意図しているラストスパートや切り替えの能力アップにはならないのです。

もし、ラストスパートや切り替えのトレーニングをしたいならば途中で休みを入れない、入れてもクレアチリン酸が回復しきらない30秒以内で200mを走り続けることです。
そうすれば、クレアチリン酸を枯渇させるための練習にもなる可能性があると考えられています。もちろん、それを数セット繰り返す必要もありますが。
他にクレアチリン酸を枯渇させる練習の一例としては、200m程度の距離を3本程度全力でやり、間は30秒以内でつなぐ。そして明確にスピードが出なくなるまでセットを重ねていくという方法もあります。
どちらかいうと、短距離のような練習と感じるかもしれませんね。ただつなぎの時間等をしっかり意識する必要があります。

また、中距離において耐乳酸という誤解が出てくるのは、乳酸を疲労の原因と考え、乳酸耐性の獲得が主目的と考えてしまう。
そして、600mの後に血中乳酸濃度が上がっているため、その中で200m走れば、乳酸蓄積している中での運動だから乳酸耐性によいと短絡的に考えてしまう。
さらに、筋肉内の中ではエネルギー供給源となるクレアチンリン酸が再合成されていることなど考えていないと思われます。このことから、ラストスパートとか耐乳酸の練習とは意味合いが違う練習であることがわかったと思います。
 
 さて、そこでじゃあ400mや800mの後半で乳酸がたまって脚がうごかないー、乳酸のせいだーとか、っていわれているけど違うの?
という話が出てきますが、そのとおり違うのです。
乳酸がたまった状態ってのは、大雑把にいうと糖質からエネルギーを作る時、その処理が過剰になったからこそできるものであり、過剰になるとそれをうまくエネルギーにできない状態。
そのため、400mや800mは強度が高く、どんどんエネルギーを作らなければならない、その強度が高ければ高いほど乳酸も作られるため、走りおわった後はかなり乳酸がたまっています。しかし、走った後に休んでいると、乳酸が処理されエネルギーとなり、1時間ほどすれば元通りになることが明らかにされています。また、強度を落としても、その分エネルギーになるとも考えられます。


じゃあ、ここで合わせて何が疲労の原因なのか考えてみますと。
筋肉を動かすための糖質が減少することにより、乳酸ができなくなったり、身体を動かすためのエネルギー源がなくなってくること
身体内でリン酸、カリウム、ナトリウムなどの濃度の変化がおき、筋肉の収縮を悪くしていること。逆にこれを防いでいるのが乳酸だとも考えられています
中枢性の疲労、すなわち、交感神経が活発になることにより、緊張し、ストレスが高くなることによる反動など
脳の疲労、脳にもエネルギーが使われていることから、身体にあるエネルギー源が減少していくと、生きていくためのエネルギー源を残すために脳がストップという指令を出して、身体に抑制をかけている
などが考えられています。
また、筋肉の損傷(これ、実体験からマラソンの場合、これ大きいです(笑))により、筋肉の弾力性が悪くなることもあります。
以上のように疲労は複数の要因から起こるものであり、どれが原因で、どれが結果というふうに決めつけるものではないのです。
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前回、グリコーゲンローディングのことが出てきたので、今回はこれを。
 
運動すると、糖質や脂質を用いてエネルギーが作られ消費されるということは、これまでお話してきたとおりです。
グリコーゲンローディングは、そのエネルギー源の中でも消費されやすい糖質を、レース前に十分に貯蔵しておくことにより、パフォーマンスを発揮しやくするための食事の方法とされています。
グリコーゲンローディングの基本的なやり方としては、レース1週間前の最初の3日間は糖質を少なめにし、高タンパク質・高脂質の食事をし、そして3日前から糖質中心の食事をとることにより、よりグリコーゲンを貯蔵することができることがわかっています。
しかし、近年ではその方法では、身体に負担が大きいことや、調子を崩すことも多いことから、身体にやさしく自然に行えることができる改良法として数日前までは普通に食事をとり、レース前に糖質を多くとる方法が適切であるとされています。スポーツ選手として毎日摂取すべき量として体重1kgあたり7~10gの糖質が必要とされています。すなわち、体重70kgの選手の場合は、490~700gの糖質、丼ご飯に関さんすると約4~6杯(スパゲッティだと10皿分)必要となります。

また、2003年に国際オリンピック委員会は以下の提言を行っています。
 
「運動前の栄養摂取では、糖質貯蔵量を増やし糖質の枯渇で運動能力が低下しないようにすることを目指す。運動前の数日間、糖質摂取量を増やし筋肉内グリコーゲン量を増大させると、持久的な運動、特に90分以上継続する運動においてパフォーマンスを向上させる。運動の3~4時間前の糖質補給は肝臓と筋肉内のグリコーゲン貯蔵を増やし持久的運動のパフォーマンスを向上させる。糖質摂取のエネルギー代謝に対する影響は少なくとも接種後6時間は存在する。」
IOC Consensus Statement on Sports Nutrition 2003(スポーツ栄養に関するIOCの合意声明2003)
 
このようにレース前においてグリコーゲンローディングを行うことが推奨されています。
 
さて、これまでグリコーゲンローディングについて述べてきましたが、確かに理論的にはあっています。
しかし、そのままうのみにするのではなく、大事なことはどこで考えられたのかということと私たちが行う種目との絡み合わせも考える必要があります。
まず、もともとグリコーゲンローディングは西欧での研究を発祥としています。
西欧の食生活では糖質が少ない、つまりエネルギー源が摂取することが少ないためフルマラソンを走りきるためにはグリコーゲンが不足している。そのため、グリコーゲンをためてフルマラソンを走れるようにしようということから研究されました。
しかし、日本ではお米など糖質中心の食生活を行っています。日本が糖質100%だとすると、西洋では60%~70%としかとらないとされていることから深く考えずにグリコーゲンローディングを行っても、エネルギー摂取量が過剰になってしまい体重が増加してしまうことにもなります。つまり、もともとの発祥から考えると、日本人は毎日グリコーゲンローディングを行っているようなものだともいえるため、単純にレース前にグリコーゲンローディングを行っても意味ないとも考えらえます。

さらに、ヒトの一日のエネルギー消費量は一般的に2500程度です。
(注:競技者はレベルによってその分高くなります、以下は一般人を対象にした話となることに注意)。
基礎代謝が1800程度であるとすると、700も余分にあり、その700は、普段生活しているときの身体活動で消費される。また、陸上競技でどれくらいの強度、運動でやるとエネルギー消費量が増加するのかというと同じ強度であれば強度よりも走った距離(時間も関係)によって、エネルギー消費量が増加していきます。また強度でいえば、低強度よりも高強度のほうが消費しますが、その分長く走れなくなるため結局はエネルギー消費量はあまり変わらないということにも注意。このことからも、トラック競技程度であれば、エネルギーを消費しきるということはありません。マラソンでよく聞かれているように一般的にグリコーゲンが枯渇し始めるのは、30km前後です。また、国際オリンピック委員会の提言を見ても、持久的な運動を90分以上の場合とも述べられています。トラック競技において最も長くても10000mの40分程度でしょう。このことから、グリコーゲンローディングを行う必要はないともいえます。
トラック競技におけるデメリットはまだあります。糖質を摂取すると身体は水分を蓄えようとする性質もあるため、グリコーゲンローディングが成功したとしても体重が増加してしまい、エネルギー消費量が増加してしまうことから競技中にパフォーマンスが低下することも考えられます。
以上のことからトラック競技をやる方にとっては、とくにこの辺を注意しておく必要があるのです。
 
もしトラックではなく、フルマラソンやるよっていう場合、グリコーゲンローディングを行うのは難しいです。なので、前日に糖質が含まれているのを多めに食べるか、当日に競技の数時間前に消化の良いものを多めに食べるくらいがちょうどよいと思われます。
 
一方で、大学生にとって、もうひとつの重要な点があります。
実家通いの方よりも、一人暮らしの方におけるグリコーゲンローディングについて知識を誤ると、大変なことにもなります。
とくに一人暮らしの方は経済的な面や、手間が面倒のため栄養が偏りがちになる人も多いです。そのため、体調管理に必要な栄養素が不足している中でグリコーゲンローディングを行ってもベストパフォーマンスは期待しにくいでしょう。一番、わかりやすい例としては鉄分欠乏による貧血とかでしょうね。
このことからも、まずは普段の栄養管理をきっちり行うことが必要であり、それができればトラック競技ならそれだけでも十分でしょう。
その上で、グリコーゲンローディングを行うならば少なくともハーフ以上の距離を走る場合に行うと良いと思われます。
もし、トラック競技で行いたいというのであれば、げんかつぎ程度に考えて、前日や朝にちょっと多めにとる程度で行うほうが賢明でしょう。
 いよいよ本格的にトラックシーズンが始まりますね。今回はそれに絡めたお話をします。

では、中長距離においてよくレースの前に刺激を入れるということがあります。
私がいた大学では、浸透したのか、または浸透していないけどなんとなくやっていないからのか、わからんが刺激を行う人は少なくなりました。この表現なのは、全員そうなのかは不明なため。
しかし、高校ではまだやっているのかな。私がいた7年前は必ずと言っていいほど行われていましたが、もしここを見ている高校生や、刺激をやっているよっていう方には今回ぜひ読んでほしいと思います。刺激はやっていないよっていう方で、ちゃんとした考えを持っているなら良いのですが、ないのであれば今回読んで意識しなおしてもらえればと思います。
 
さて、前日に刺激をやる必要性ってあるの?と聞かれれば、はっきり言ってやる必要はないねと答えます。
やっていると聞いたら、言葉は悪くなるが「アホか」ともいいたくなります。
私があたったこれまでの文献をみても刺激というものはなく、これほど日本独自な習慣とも呼べるものはないからです。
 
それに、前日に刺激をやることが翌日の調整とする、という理屈は論理的でも合理的でもありません。
練習プログラムの中における調整は、一週間もしくはそれ以上の単位で設定するべきであり、前日にどれくらい走れるかでレースのタイムが予想できる、と言う人がいるならば私は練習に計画性を立てていませんって白状しているようなものと同じ。
そんなもの普段の練習がしっかりできているかどうかで容易に予想できます。違う形でいえば、普段練習ができていないのであれば、レースの結果も自然に悪くなります。もしよかったというのなら、その人はたまたまマグレが出たか、走りの天才でしょう。
また、たまに心肺機能を刺激するためっていう答えを聞きますが、そんなすぐに心肺機能が向上するわけでもない。それも普段からやっておけよという話。そんなことを考えるやつは、練習とレースを別々なものだと思っているのでは。普段の練習からしっかりレースを意識した練習をすべきともいえる。
 
しかし、これだけだと前日刺激は日本人の必ずやらないといけないという概念を崩せない。
さて、ここで基本的なパターンで前日な刺激は何やられているか。中距離だと600mとか、長距離だと1000mとかかな。
大学入ってからやらなくなったから、多分こんな感じだと思う。
さて、これですが負荷でかすぎです。
中には、全力で走っちゃってベスト出たーなんて喜んでいるやつもいるが、ベスト出すのはレースでであり、その時点で目的をはき違えているやつもいる。さらに、これも目的以前の問題で刺激を行おうとするのが良くない。
以前にエネルギー生成の話でもふれましたが、エネルギーがあるほど強度の高い、つまり速いペースで走れる。逆に言えば、強度の高い、またはペースが速いトレーニングを行うと、貯蔵されているエネルギーが減少するといいました。
そう、刺激も多くの人が速いスピードでやっている、ということは貯えておくべきエネルギーをわざわざ減少させている。
減少したエネルギーを元の状態まで戻すのには約1日かかる。
そうすると、レースの時には普段よりも少ないエネルギー量で臨むしかなくなる。結果、後半ペースが落ちてしまうって望んでいない悲惨な状態になるわけです。

また、グリコーゲンローディングなんていう話もあるが、これをやっても、前日に刺激なんかやったら、貯めておいたエネルギーも減少させてしまうので、グリコーゲンローディングの意味もなくなってしまう。
刺激をやらない人はなんとなく疲労が残るからっている理由で、そこまでそのような理論的に考えてやっている人って、少ないだろうなぁ。
せっかく調整して満タンにしたエネルギーを、刺激などで大きな負荷でのトレーニングをやってしまったら、半減とまではいかないが、かなり減少してしまうという話。つまり、一言でいうとやるだけ無駄ってことです。
 
以上のことから、前日に刺激をやらない方が良いということがわかったと思います。
もちろん、なんとなく疲労が残るからという感覚での答えは間違いではない。エネルギーがなければ、身体を動かすためのエネルギーがなく身体が動かなくなる(重くなる)ともいえますから。
これで感覚だけで考えていた人もこのエネルギーというのも加えて考えると、きちっとした根拠をもてるようになるでしょう。ちなみに冒頭のところで、述べた、浸透したかしてないかっていうのはこのことを指していました。この辺どのくらいの人が意識してやっているのかな~。

 
じゃあ、前日はどうしたらいいのかって話になる。もちろん、身体は動かしておいた方がよいです。そうしないと、神経系の能力が低下してしまい、微妙なところでパフォーマンス低下の可能性がある。
そこで、もし身体を動かすのならば、いわゆる一般的な刺激というよりも動きを重視したもので、なるべく力を発揮しないようにし、速い動きで神経系に刺激を与えるようなものにするべきである。
理想は軽くwalkやjogでもしながら身体の調子や動きの確認と、100mくらい力を発揮しない程度に流しを2本前後やるくらいでしょうね。

ひとつの例、レースは土曜日か日曜日に行われるところが多い。ということは金曜日に先ほど言ったように軽く動く。んで、木曜はrest。水曜はレースペースの確認など、追い込み過ぎない程度にポイントなど普通に練習。日曜にレースがある場合でもあまり動かないようにして、土曜は軽く動き、金曜は土曜の分のちょっと多めで。というパターンもありでしょう。

まぁ、人それぞれの調整は異なるにしても、共通する重要なポイントとして、試合前であることを考えて、動きすぎないこと。レースに備えてエネルギーを貯める、そんな感じでやることが大切です。
プロフィール
HN:
やぎ
性別:
非公開
自己紹介:
陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり

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