今回は、中長距離の中でもよく質問、話題に出る減量について考察していきます。
では、まず速くなるにあたって減量した方が良いと言われるのか。
「痩せたら速くなる」といった話は、確か福岡大の田中先生の「1kg痩せれば3分速くなると言った話が割と有名ですね。
ランニングは、体内に酸素を取り入れて消費しながら走る有酸素運動でもある。そのときにその体重が多ければ多いほど酸素の量が必要である。つまり同じ最大酸素摂取量であれば、体重が軽いほどスピードが上がるという話だったかな。
また、ランニングの着地時に体重の3倍程度の衝撃が足にかかり、走る距離が延びるほど衝撃による身体への負担も増す。その負担を少しでも減らすためには、当然ながら体重は軽いほうが有利。体脂肪についても体重の一部なため、体脂肪率が低くなるほど体重も減り、負担が少なくなると言える。
さらに、トップクラスの大会に出場する選手は、スリムな体型をしており、中には体脂肪率が10%を切るような人も少なくない。シドニーオリンピックの女子マラソンでQちゃんこと高橋選手も全盛期には3~5%という話も有名ですね。
以上の事から、「痩せれば速くなる」という考えはある意味で的を射ていると言えるでしょう。
しかし、視点を変えて考えてみると、単に痩せれば速くなると単純に考えると危険なことではないでしょうか。こういった話は基本的に元々体重が身長に対して割合が大きい場合の話だと考えられます。
まず、体重は着地時の衝撃において負担となる要因ですが、その一方で体重に含まれる筋肉、骨、靭帯、腱といった各部分は、着地時に身体を保護したり、ランニング動作をスムーズにしたりする役割も担っています。そのため、安易に体重や体脂肪率を落としてしまうと、各部分の機能が低下するため、身体を保護できなくなり、結果として故障のリスクを高めてしまう可能性があります。また、女性だと月経不順などの問題も出てきますね。
他にもこういったことも考えられます。
今、まとめているところでデータ数は少ないですが、スポナビの世界陸上(2011年)の公式発表されている身長と体重から算出したBMIの平均だけでも面白い結果が出ています。
まず、トラック男子で海外5名(21.07)、日本3人(18.85)、女子だと海外3人(19.07)、日本4人(16.55)
また、マラソンでは、男子海外2人(18.91)、日本5人(18.53)、女子では海外4人(18.90)、日本4人(16.87)。
人数が少ないですが単純にBMIだけで考えてみると、基本的に海外勢の方が日本勢よりも高い。そして、男子では海外トラックは20以上ある以外はあまり変わらないように見えていますが、女子はそれよりも差があった。海外では標準レベルにあるが、日本では低体重レベルで心配になるぐらい低い。
このことからも、体重を減らすことで速くなるのもひとつの手だが、別に減らさなくても速くなることはできるということがわかるでしょう。ただ、ここで注意してほしいのは、BMIは基本的に一般の方を対象にしており、体組成は無視されているのでまともに捉えることはないということ。
とはいえ、まともに捉えてみてもBMIだけでいえば、ランニングするにはトップレベルであっても標準レベルにあれば十分であり、あとは練習の質と体組成を考えればよいともいえるでしょう。
さて、どう考えていけばよいか。
基本的には、現在、長距離練習を行っているのであればとくに変わった事をする必要も無いと思います。よほど偏った食事をドカ食いしているとかでも無ければ、しっかり走練習を積むことで体系的には収まるところへ収まるはずだと思われます。
体重が軽い人は多いですが、よほどセンスのある人以外は体重:パワーみたいなものも考えながら適正体重を探っていくのが大事。
たとえば、上であげた海外選手の中に10000でアフリカ系以外初の26分台を出したソリンスキー選手が含まれていますが、185㎝75㎏です。
もちろん何より体重を軽くすればタイムが上がるという人も居るには居るでしょうが、最終的に良いタイムが出るのは以前に挙げたLTや筋力などその他諸々も含めて全てのバランスが取れた人だと思います。
ソリンスキー選手の例でいけば、おそらくボディを軽くするよりも出力を上げた方が良いパフォーマンスが出るタイプだったのでしょう。
私、個人的な話でも体重が増えてからも記録が伸びましたし、その要因としては筋力が弱かったため筋力を上げる練習した結果、筋量の増加=体重の増加となりました。
この経験からも体重の重い軽いだけでパフォーマンスが決まるものではないと思ってほしいと思います。
よって以上のことからまとめると、身長に対して体重の割合が大きければ適切な方法で体重をある程度落とすことは必要でしょう。しかし、大切なのは、体重の視点だけ考えるのではなく、故障リスクを高めない範囲で適正体重を模索しながら、ランニングに関係する能力全てのバランスを考えてトレーニングを積んでいくことだと思います。
では、まず速くなるにあたって減量した方が良いと言われるのか。
「痩せたら速くなる」といった話は、確か福岡大の田中先生の「1kg痩せれば3分速くなると言った話が割と有名ですね。
ランニングは、体内に酸素を取り入れて消費しながら走る有酸素運動でもある。そのときにその体重が多ければ多いほど酸素の量が必要である。つまり同じ最大酸素摂取量であれば、体重が軽いほどスピードが上がるという話だったかな。
また、ランニングの着地時に体重の3倍程度の衝撃が足にかかり、走る距離が延びるほど衝撃による身体への負担も増す。その負担を少しでも減らすためには、当然ながら体重は軽いほうが有利。体脂肪についても体重の一部なため、体脂肪率が低くなるほど体重も減り、負担が少なくなると言える。
さらに、トップクラスの大会に出場する選手は、スリムな体型をしており、中には体脂肪率が10%を切るような人も少なくない。シドニーオリンピックの女子マラソンでQちゃんこと高橋選手も全盛期には3~5%という話も有名ですね。
以上の事から、「痩せれば速くなる」という考えはある意味で的を射ていると言えるでしょう。
しかし、視点を変えて考えてみると、単に痩せれば速くなると単純に考えると危険なことではないでしょうか。こういった話は基本的に元々体重が身長に対して割合が大きい場合の話だと考えられます。
まず、体重は着地時の衝撃において負担となる要因ですが、その一方で体重に含まれる筋肉、骨、靭帯、腱といった各部分は、着地時に身体を保護したり、ランニング動作をスムーズにしたりする役割も担っています。そのため、安易に体重や体脂肪率を落としてしまうと、各部分の機能が低下するため、身体を保護できなくなり、結果として故障のリスクを高めてしまう可能性があります。また、女性だと月経不順などの問題も出てきますね。
他にもこういったことも考えられます。
今、まとめているところでデータ数は少ないですが、スポナビの世界陸上(2011年)の公式発表されている身長と体重から算出したBMIの平均だけでも面白い結果が出ています。
まず、トラック男子で海外5名(21.07)、日本3人(18.85)、女子だと海外3人(19.07)、日本4人(16.55)
また、マラソンでは、男子海外2人(18.91)、日本5人(18.53)、女子では海外4人(18.90)、日本4人(16.87)。
人数が少ないですが単純にBMIだけで考えてみると、基本的に海外勢の方が日本勢よりも高い。そして、男子では海外トラックは20以上ある以外はあまり変わらないように見えていますが、女子はそれよりも差があった。海外では標準レベルにあるが、日本では低体重レベルで心配になるぐらい低い。
このことからも、体重を減らすことで速くなるのもひとつの手だが、別に減らさなくても速くなることはできるということがわかるでしょう。ただ、ここで注意してほしいのは、BMIは基本的に一般の方を対象にしており、体組成は無視されているのでまともに捉えることはないということ。
とはいえ、まともに捉えてみてもBMIだけでいえば、ランニングするにはトップレベルであっても標準レベルにあれば十分であり、あとは練習の質と体組成を考えればよいともいえるでしょう。
さて、どう考えていけばよいか。
基本的には、現在、長距離練習を行っているのであればとくに変わった事をする必要も無いと思います。よほど偏った食事をドカ食いしているとかでも無ければ、しっかり走練習を積むことで体系的には収まるところへ収まるはずだと思われます。
体重が軽い人は多いですが、よほどセンスのある人以外は体重:パワーみたいなものも考えながら適正体重を探っていくのが大事。
たとえば、上であげた海外選手の中に10000でアフリカ系以外初の26分台を出したソリンスキー選手が含まれていますが、185㎝75㎏です。
もちろん何より体重を軽くすればタイムが上がるという人も居るには居るでしょうが、最終的に良いタイムが出るのは以前に挙げたLTや筋力などその他諸々も含めて全てのバランスが取れた人だと思います。
ソリンスキー選手の例でいけば、おそらくボディを軽くするよりも出力を上げた方が良いパフォーマンスが出るタイプだったのでしょう。
私、個人的な話でも体重が増えてからも記録が伸びましたし、その要因としては筋力が弱かったため筋力を上げる練習した結果、筋量の増加=体重の増加となりました。
この経験からも体重の重い軽いだけでパフォーマンスが決まるものではないと思ってほしいと思います。
よって以上のことからまとめると、身長に対して体重の割合が大きければ適切な方法で体重をある程度落とすことは必要でしょう。しかし、大切なのは、体重の視点だけ考えるのではなく、故障リスクを高めない範囲で適正体重を模索しながら、ランニングに関係する能力全てのバランスを考えてトレーニングを積んでいくことだと思います。
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Re:無題
>NONAMEさん
コメントありがとうございます。楽しみに待っていただいたのに、お待たせして申し訳ありません。
2月は資料をまとめるほどの余裕がなかったので更新できませんでしたが
3月上旬~中旬は少し時間とれそうですのでそれまで時間をいただければと思います。
これからもよろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。楽しみに待っていただいたのに、お待たせして申し訳ありません。
2月は資料をまとめるほどの余裕がなかったので更新できませんでしたが
3月上旬~中旬は少し時間とれそうですのでそれまで時間をいただければと思います。
これからもよろしくお願い致します。
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やぎ
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陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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