久々の更新
ここのところ、忙しくて更新できず、楽しみにしていた方は申し訳ありませんでした。
さて、そんなこんなでもうすぐ11月ですね
トラックでは主要な大会は終わり、あとは記録会、駅伝くらいでしょうか。
この時期から、毎年のように話題に出てくるのが冬季練習。
または冬の走り込み。この冬走りこめば、来年の春には記録が伸びる!
なんか似たようなフレーズ聞いたことありませんか。
そう夏の走り込み、この夏乗り越えれば秋には記録が伸びる!
ま、それはさておき、今回はなぜ冬季練習を行うのか考えてみたいと思います。
まずは、冬季練習についてよく言われることについて
1.この冬走りこめば、来年の記録が伸びる。
これについては当然でしょう。だいだいの記録会が12月上旬に終わり、3、4月から始まるので約3~4か月空いている。極端に目的に沿っていないということがなく、まじめにトレーニングをしている限り、人間は何らかの形で良い方へと変化していく。また、ケガがなければ順調に伸びるはず。ということで、記録は伸びる。つまり、当たり前の話。
走り込みについては、過去の記事を読んでいる方は少し考えてみればわかることかと思います。一言で言うと目的に沿った適切なトレーニングをということです。
2.スピードトレーニングを減らして、長い距離を走る。
たとえば、中距離の人にハーフの距離を走れるようになるため、その分、中距離として必要な強度のトレーニングを減らして、長い距離を走る。
たしかに、長い距離を走ることによってそのトレーニング効果によって得られることもあります。しかし、中距離として必要な強度を下げて、頻度を減らすまでして行うべきことか、再考してみてはどうでしょうか。
チーム事情によっては、そうせざるを得ないところもありますが、工夫していくことは必要だと思います。
また、スピードトレーニングをやらないのは故障するからとか、寒くて体がうごかないからとも言います。故障する危険性としては年中ありますし、たとえばずっと長い期間スピード出さないで急にスピード出した方が故障しそうな気もします。
寒くて動かないというなら、冬でも暖かい日はあるはず。それこそ、昼間とか。また、最近は防寒仕様のものも質がよくなってきているので、筋肉が温まった状態でトレーニングすることはできます。短距離ではないので、MAXの練習はしなくてもよいのです(する必要はありますが、短距離ほどではない。)中長距離として、LT、OBLA以上のトレーニングをすれば速筋を使った練習は十分可能。
人によっては、昼間は難しいという方もいらっしゃるでしょう。しかし、休日の日にやるとか、上に挙げたこととかで工夫すれば、スピードトレーニングをすることは可能なのです。
以上の事から、スピードトレーニングを減らすことはしなくともよいのです。
3.身体づくりの期間・フォームの見直し
この時期だけ、サーキットとかウエイトをやりたがるところもある。
大会とかある時期になぜやらないの?記録を狙うから?時間がないから?じゃあ、駅伝はどういう位置づけ?駅伝が目標の人もいる。
フォームの見直し、この時期にやるといえば、逆に自分のことに無関心ともいえるのでは。
これについては、定期的に行った方が長期的には良いのでしょうが、人によっては難しい方もいるが。
他にも細かい所まで突き詰めればまだまだありますが、大雑把にするとこんなところでしょうか。
要するに言いたいことは、冬季練習だからといって特別なことをする必要はない。大会や、駅伝がなくとも、レースペースでやるトレーニングは必要ですし、目的への適切な範囲内であればある程度の+αをつけてもよい。
一番やってはいけないのは、特別感を出しすぎて故障してしまうことですね。
ほとんど走り書きのようなものですので、所々おかしいところがあるかもしれませんがご了承ください。
読んでくださった方、今回は駄文でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。
楽しみにしていた方、お待たせして大変申し訳ありません。
それでは今回は、部活やなんらかの集まりにて話題にのぼることも多い早朝練習、2部練習について考察していこうと思います。
さて、なぜ早朝練習、2部練を行うのでしょうか。
その考察についてはまず早朝練習についてどのような効果があるのか、それを理解してからではないと単に2部練習を行ったとしても故障のリスクを高めるだけなので、まず早朝練習について考察していきます。
早朝練習の目的について大きく分けますと、次のことが考えられます。
1つ目は身体を目覚めさせることにより、生活リズムを整える。2つ目は夕方の練習だけでは、不足する練習量の上積み。3つ目に体脂肪を減らすのに効果的である、つまり体重管理。
1つ目は朝しっかり起きてトレーニングすることにより、1日の生活リズムを整えやすくなるというのはよくいわれることですね。2つ目のは2部練に関する話なので後で。
さて、3つ目は朝練を行うと体脂肪を減らすことになるのか説明していきます。
なお、ここでは、基本的にエネルギー代謝の観点からみていきます。
基本的にエネルギー源は糖質、脂質であるのはおわかりかと思います。そして、運動強度や運動継続時間によってそれは変わってくることも。
しかし、朝食前と朝食後とでは、身体内に貯蔵されているエネルギー源の量が異なり、エネルギー源が十分でない。そして朝食前にトレーニングする方が脂質をエネルギー源として用いようとするため、早朝練習は体脂肪を減らすのに効果的であるということがよくいわれています。
一方で、運動で一時的に脂質酸化量が増えても、ある程度長い期間で比較すると食事量の増加により相殺されてしまい、運動によって増大したエネルギー消費量は糖質酸化量の増大によって補われるといった研究もありました。
つまり、体脂肪を減らすためにどれだけの運動をしても、食事量を増やしてエネルギーバランスが等しい状態ならば運動強度に関わらず体脂肪は減少しないということです。
とはいえ、一日のエネルギー消費量を考えて、朝食後より朝食前にトレーニングすれば脂質酸化量が増大する可能性はある。ただ、その場合、食事に気を付けないと体脂肪減少を目的とした早朝練習の意味はなくなってしまうということになりそうです。
また、早朝練習はまだまだ検討の余地が残されているそうです。グリコーゲンが枯渇した状態での運動には運動中の筋細胞内脂肪利用能力を高めたり、血糖値の維持能力を高める効果があるという説が発表されているそうです。この辺に関する論文はまだ読んでないのでこれ以上は申し訳ありません。
まとめると、色々と検討の余地は残されているものの、限定的ではあるが体脂肪減少を目的とした早朝練習は有効のようです。しかし、その場合、食事量に気を付けないと早朝練習は意味もないものになってしまうということですね。まぁ食事量に関してはどの時間帯にとっても気を付けなければなりませんが。
では2つめの2部練習の話に入りましょう。
さまざまな掲示板などで練習に関する話で「速くなるにはどうしたらいいですか」という質問で回答の中で上位に挙げられるもの一つに2部練することという回答があるでしょう。そもそも質問自体がおかしいと思うのですが、これは置いておきます。
この2部練の根拠としては、一般的に夕方の練習だけでは足りず、早朝に練習を加えることにより、練習量を増やせるということでしょう。早朝練習した後、朝食や昼食によりエネルギーが回復して、夕方の練習に向けることができるということなのかな。
一応、2部練習に関して論文探してみたんですが日本のじゃほとんど見つけられなかった。英語だとあるのかなぁ。
ということなので、これ以下は個人的な見解ですのでよろしく。
2部練習をすれば速くなると言われているけど、必ずしも必要なものではないと思う。
2部練習をすれば、それだけ身体にかかる負担は増すわけですし、故障のリスクも増大してしまう。たとえ2部練習を行ったとしても、故障してしまえば練習は中断されてしまうわけで、パフォーマンスの向上は見込めなくなってしまう。下手すれば、パフォーマンスが以前よりも低下してしまう可能性があるわけです。
確かに2部練習を行うことで、エネルギー源が1部練習の時よりも消費されることから、グリコーゲンの超回復の可能性が見込めるが、故障のリスクを考えると行うかどうか難しい所ですね。
さて、ここで1部練習を行っているトップレベルの選手の例を挙げてみます。
2部練習に関しては陸上関連雑誌など読んだらいくらでも探せると思うので、ここではとくに取り上げません。
まず、日本で1部練習を行っている有名な選手といえば川内優輝選手(以下川内選手)でしょうか。
川内選手も高校時代、2部練習を行っており、故障も多かったが、大学時代から1部練習で故障も減少したことから、練習が積めるようになったという記事もありましたね。そして、現在では日本においても指折りの現役マラソンランナーになったことから、2部練習から1部練習に変えて成功した一例だと思います。
海外でいえば、バーナード・ラガト選手も1部練習を行っているようです。
http://www.nytimes.com/2013/03/03/sports/bernard-lagat-training-for-nyc-half.html?_r=2&
とくにバーナード・ラガト選手は、1部練習により故障のリスクを下げていることが、現在38歳ながらもトップで活躍できている一つの理由であるとも考えられます。
このことから、速く強くなるには必ずしも2部練習を行う必要性はないのでしょう。
おそらく、1部練習と2部練習の間に差がつくのは練習を量と考えるのか、質として考えるのか、その違いだと思われます。つまり、これまでやればやっただけ強くなる、速くなるという考え方で1部練習というよりも2部練習に重きが置かれてきたのでしょう。
実際に2部練習を行うことにより、強く速くなった選手も多くいるのも事実です。その事実もあるため、単純に2部練習よりも1部練習の方が良いということはできません。
しかし、こういった情報が表に出てくるのは成功体験ばかりなのですから、その裏にあった事実を知ることも大切だと思います。たとえば、学校の部活の方針などにより2部練習を行うことによって故障が多く、成長できなかった選手もいる可能性も否定できないでしょう。その選手個人を考えると2部練習が良いとはいえないのです。
上に挙げた2人の選手も、練習を量よりも質として考えたこと、さらに故障のリスクを考えたことにより、1部練習という結論に至ったと考えられます。
このことから、1部練習にしても2部練習にしてもどちらが良いということは難しい問題です。
結局、能力を高めるには、身体的な強さや故障のリスクも考慮しながら一人一人に合った練習を行うことが重要なのだと思います。
さて、早朝練習と2部練習についての話を戻してまとめると
早朝練習のみを考えると脂肪に関する話としては有効性はある。
しかし、2部練習として夕方練習に早朝練習を加えて考えると、その強度の度合いにもよるが運動量の増大は図れるが故障のリスクは増大する。
あるいは、早朝練習をなくしてエネルギー源が十分にあり、身体も起きている夕方練習のみにするか。
うーん、簡単には答えが出ない問題です。
やはり身体的な強さ、個人の生活スケジュールを考えてやるべきという形に落ち着くのかなと思います。
ただ確実に言えるのは、速くなるにはどうするかの問い(部活の話として想定)に、安易に夕方練習とは別に早朝練習もやるべきだ、という答えを出すべきではないということです。
では、まず速くなるにあたって減量した方が良いと言われるのか。
「痩せたら速くなる」といった話は、確か福岡大の田中先生の「1kg痩せれば3分速くなると言った話が割と有名ですね。
ランニングは、体内に酸素を取り入れて消費しながら走る有酸素運動でもある。そのときにその体重が多ければ多いほど酸素の量が必要である。つまり同じ最大酸素摂取量であれば、体重が軽いほどスピードが上がるという話だったかな。
また、ランニングの着地時に体重の3倍程度の衝撃が足にかかり、走る距離が延びるほど衝撃による身体への負担も増す。その負担を少しでも減らすためには、当然ながら体重は軽いほうが有利。体脂肪についても体重の一部なため、体脂肪率が低くなるほど体重も減り、負担が少なくなると言える。
さらに、トップクラスの大会に出場する選手は、スリムな体型をしており、中には体脂肪率が10%を切るような人も少なくない。シドニーオリンピックの女子マラソンでQちゃんこと高橋選手も全盛期には3~5%という話も有名ですね。
以上の事から、「痩せれば速くなる」という考えはある意味で的を射ていると言えるでしょう。
しかし、視点を変えて考えてみると、単に痩せれば速くなると単純に考えると危険なことではないでしょうか。こういった話は基本的に元々体重が身長に対して割合が大きい場合の話だと考えられます。
まず、体重は着地時の衝撃において負担となる要因ですが、その一方で体重に含まれる筋肉、骨、靭帯、腱といった各部分は、着地時に身体を保護したり、ランニング動作をスムーズにしたりする役割も担っています。そのため、安易に体重や体脂肪率を落としてしまうと、各部分の機能が低下するため、身体を保護できなくなり、結果として故障のリスクを高めてしまう可能性があります。また、女性だと月経不順などの問題も出てきますね。
他にもこういったことも考えられます。
今、まとめているところでデータ数は少ないですが、スポナビの世界陸上(2011年)の公式発表されている身長と体重から算出したBMIの平均だけでも面白い結果が出ています。
まず、トラック男子で海外5名(21.07)、日本3人(18.85)、女子だと海外3人(19.07)、日本4人(16.55)
また、マラソンでは、男子海外2人(18.91)、日本5人(18.53)、女子では海外4人(18.90)、日本4人(16.87)。
人数が少ないですが単純にBMIだけで考えてみると、基本的に海外勢の方が日本勢よりも高い。そして、男子では海外トラックは20以上ある以外はあまり変わらないように見えていますが、女子はそれよりも差があった。海外では標準レベルにあるが、日本では低体重レベルで心配になるぐらい低い。
このことからも、体重を減らすことで速くなるのもひとつの手だが、別に減らさなくても速くなることはできるということがわかるでしょう。ただ、ここで注意してほしいのは、BMIは基本的に一般の方を対象にしており、体組成は無視されているのでまともに捉えることはないということ。
とはいえ、まともに捉えてみてもBMIだけでいえば、ランニングするにはトップレベルであっても標準レベルにあれば十分であり、あとは練習の質と体組成を考えればよいともいえるでしょう。
さて、どう考えていけばよいか。
基本的には、現在、長距離練習を行っているのであればとくに変わった事をする必要も無いと思います。よほど偏った食事をドカ食いしているとかでも無ければ、しっかり走練習を積むことで体系的には収まるところへ収まるはずだと思われます。
体重が軽い人は多いですが、よほどセンスのある人以外は体重:パワーみたいなものも考えながら適正体重を探っていくのが大事。
たとえば、上であげた海外選手の中に10000でアフリカ系以外初の26分台を出したソリンスキー選手が含まれていますが、185㎝75㎏です。
もちろん何より体重を軽くすればタイムが上がるという人も居るには居るでしょうが、最終的に良いタイムが出るのは以前に挙げたLTや筋力などその他諸々も含めて全てのバランスが取れた人だと思います。
ソリンスキー選手の例でいけば、おそらくボディを軽くするよりも出力を上げた方が良いパフォーマンスが出るタイプだったのでしょう。
私、個人的な話でも体重が増えてからも記録が伸びましたし、その要因としては筋力が弱かったため筋力を上げる練習した結果、筋量の増加=体重の増加となりました。
この経験からも体重の重い軽いだけでパフォーマンスが決まるものではないと思ってほしいと思います。
よって以上のことからまとめると、身長に対して体重の割合が大きければ適切な方法で体重をある程度落とすことは必要でしょう。しかし、大切なのは、体重の視点だけ考えるのではなく、故障リスクを高めない範囲で適正体重を模索しながら、ランニングに関係する能力全てのバランスを考えてトレーニングを積んでいくことだと思います。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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