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なんか月間ペースになっているなぁ。

さて、今日はストレッチについての話です
 
ストレッチは基本的に静的ストレッチ(スタティックストレッチング)、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチング)、バリスティックストレッチング、PNFストレッチングの4つがあります。その中でも、一般的なのが静的ストレッチや動的ストレッチでしょう。
 
さて、今回のテーマは前回取り上げたウォーミングアップに関連して、運動前のストレッチはどうかということを考えていきます。
ここでの運動前のストレッチとは、トレーニングの日であれば本メニューの前、レースの日であればレースの時間前のことを指します。
 
まず、一般的な静的ストレッチと動的ストレッチの説明を簡単にすると、静的ストレッチは反動をつけずに、ゆっくりと限界の可動域まで筋群を伸ばす方法。また、緊張をほぐすのが目的ですので、運動後のクーリングダウンなどに適している。

一方、動的ストレッチは動きの中で腕や足などをいろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げるストレッチ方法。また、関節周囲筋の動きを潤滑にするのが目的ですので運動前のウォーミングアップなどに適している。

イメージするものとしてわかりやすいのは、静的ストレッチは床に座ってやるようなもの、動的ストレッチは体操や陸上部だとドリルのようなものと、考えてもらえればよいでしょう。
 
さて、近年の研究では、運動前、つまりウォーミングアップのストレッチにおいて、静的ストレッチは行わない方が良いとする理論が有力です。

たとえば、マックマスター大学における研究ではふくらはぎの筋肉を一定時間ストレッチした後では神経信号の送信に関係する力が弱まり、その状態が15分続き、さらには筋力自体も低下して、もとに戻るのに最長1時間もかかったという報告がある。
そして、ルイジアナ州立大学の研究では、短距離走者を集めて、ストレッチする群とストレッチしない群に分けて、40m3本、1週間のインターバルをあけて行ったところ、ストレッチした群にスピードが低下し、後半に減速が見られました。
この調査を率いたジェイソン・ウィンチェスターは「こうした研究から得られたデータはすべて、トレーニングや大会の前に静的ストレッチするのは避けるべきだということをはっきりと示しています」と述べています。

このように、静的ストレッチングは、パワー発揮あるいはパフォーマンスに対して不利に作用することが明らかになっています。他にも,Pope et al.は、ウォームアップにおける20秒間の静的ストレッチングが、障害の予防に寄与しないことを指摘しています。
 
一方で、動的ストレッチングはパワー発揮あるいはパフォーマンスを向上させる可能性が報告されている。
そのため、パワー発揮が重視される競技スポーツでは、動的ストレッチングが主流となっています。サッカーで頻用されているブラジル体操もその一つでしょう。
 
さて、本当に静的ストレッチは不利なのか。しかしながらこれらの報告のストレッチ時間は20秒あるいは30秒である。つまり、長すぎる静的ストレッチは20秒以上同じ姿勢を続けると、筋肉が緩みすぎて、競技パフォーマンスに悪影響を与えるが、実際のスポーツ現場でよく用いられているのは5秒から10秒と、異なっているでしょう。

短ければ大丈夫ともいえませんが、静的ストレッチをやればパワー発揮やパフォーマンスが向上するとも言えません。やってもやらなくても変わらない、ただ長くやってしまうとパワー発揮やパフォーマンスが低下する可能性があるということです。そのため、静的ストレッチを行う際には注意しておくことに越したことはない。

あとはこの時期、つまり冬に静的ストレッチを行うのも望ましくないと考えられます。
ウォーミングアップにおける目的、血流を良くさせること、とくに筋肉を温めることを考えると、jogなどをしたあとレース前に座ってストレッチを行った場合、筋肉が冷えてしまう可能性が高いため逆効果になってしまうことも考えられますね。
 
そういえば、11月半ばごろにアサファ・パウエル選手のツイスターでもストレッチに関して同じようなことを言っていたのを見たなぁ。どうだと思った方はぜひ探してみてください。
 
以上のことからトレーニングを行う場合にはストレッチは動的ストレッチを主にやる。静的ストレッチを行う必要性がある場合は、ストレッチの最初のほうで行ってから動的ストレッチに移行する、あるいはトレーニング後に行うとしたほうが良いでのではと思われます。
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そもそもスピード、持久力の定義があいまいになっているように思います。一般的にはこれらは別物のように扱われているようですが、本当にそうなのか考えてみましょう。
 
スピードとは、ある地点からある地点までの距離を時間で割ったもの。まぁスピードとは速さとも言い換えることもできますね。簡単な算数でもあります。でも、持久力とはどうなのか、長い距離・時間をどれだけ走れるかということをイメージする?
 
しかし、短距離でも多くの本数を走ることもある。
たとえば100mで予選から決勝まで何本もあれば、それを同じレベルを繰り返せる。それも一つの持久力でしょう。でも長距離よりも距離を走ることはないですが。
このように、持久力とは、長い距離・時間を走れることとはいえない。
 
では、持久力とは何か、まず私一個人の考えあげてみます。陸上競技として基本的にタイムをとることから考えると、それぞれの種目において、スピードをスタートからゴールまで維持する能力といったほうがしっくりきます。そのほうが、走種目全てにあてはめることができますし。
 
また、日本人の好きなリディアード理論においても
 
「トレーニングの究極のねらいは、簡単な話、自分が出場しようとしているレースをスタートからゴールまで、自分が目標としているタイムを出すために必要とするスピードで走りきるだけのスタミナをつけることである。」
 
とあります、さすがはリディアードです。ですがこうも言っています。
 
「だが、この簡単なことがなかなか理解してもらえないのだ。だから私は繰り返し繰り返し、このことを強調し続けなければならない。」
 
 
これは、今でもなかなか理解されにくいですね。トレーニングにおいて、スピード練習、持久力練習といった分け方をしている時点で。もしかしたら中には、どこか頭の中ではわかっているのだが、顧問等からメニューからおりたりして実行できない、という人もいるかもしれませんが。
 
つまり、スピードとはすなわち持久力と同じようなもの0。言い換えれば、持久力はスピードだともいえる。そして、スピードと持久力を融合したものが技術となる。技術とは、その能力をいかんなく発揮させることができるレース展開などが考えられます。
 
これらのことから、100mなら100m、800mなら800m、5000mなら5000m、マラソンならマラソンにそれぞれの種目に必要な能力・トレーニングを考えた方がよいでしょう。
 
さてどうトレーニングするか考えると、まずスピードと持久力を分けて練習するというのも無理がある。また、スピードと持久力を分けて考えるため、持久力を高めるというトレーニングと呼ばれるものは、ペース走やLSDなどレースペースよりもスピードが遅くなることがほとんど。その結果、とくに短い距離ほどのトラック競技においては、必要な負荷が得られなくなるため、目的となる持久力の獲得ができなくなる。
 
生理学的なとこでは、持久力とはミトコンドリアなどにおけるエネルギー供給が利用量に追いつくかどうか、走るスピードを高めると必要なエネルギー量が増え、エネルギーの生産が追い付かなくなる。その結果、スピードがダウンする。
 
よって以上のことから、スピードと持久力は切り離せない関係なのです。もし、持久力が足りないのではと思った時に、スピード面からはどうなのかといった考えをもつと良い。なぜならば、負荷が低いトレーニングで得られる持久力は低いスピードでしか役に立たないのです。この辺の具体的な話は前の記事からも読み取れるはず。
 
これから早い人は冬季練に入ってくる人もいらっしゃると思いますが、こういったことも考えてもらって、自分の目標、種目に応じたトレーニングをしていってもらえればと思います。
 
余談ですが、日本において、ほとんどの部活で800mからマラソンまで中長距離に一括りされています。そういった部活のトレーニングでは長い距離の練習に偏りがち。わかりやすい良い例としては、大学生の、その中でも箱根駅伝に関連の深い大学でしょうな。別に中距離ブロックがあるところは別として。
また、日本陸連においても中長距離・マラソン部長と一括りにされてその部長がマラソン専門だったということからもその考えがうかがえます。中距離は軽視?という考えが。
 
個人的にですが、だから中距離の記録が伸びず、また世界大会で勝てない、海外勢との差を感じるというのは、それ以前の問題なのではと考えています。近年では横田選手のように800m専門の選手が出てきていますが、1500mではいまだに・・・ですね。


P.S 次は前回に出てきたストレッチについての予定ですがまとめんのが難しい。もしかしたら、並行して他のものを出すかもしれませんがご了承ください。
さて、今回はウォーミングアップについて考えてみましょう。

ウォーミングアップの一つとしてよく用いられているストレッチがありますが、今回は取り上げません。ストレッチについてはまた別の一つのトピックとして取り上げる予定です。
では、今回はどの観点からみるのかというと、エネルギーの観点からみてみます。
なぜエネルギーなのかといえば、これまでの話の中にヒントが色々出ているので、勘の鋭い方はすぐ分かるかもしれません。
 
さて、ウォーミングアップの重要性というのはよく言われています。陸上に限らず、他のスポーツや、もっと身近なとこでは学校の授業、体育とかでよく言われているでしょう。
 
まず、ウォーミングアップの目的とは何でしょう。
1つは、血液循環を高め、心拍数を上げること、次に筋肉を暖めて筋肉が効率よく働くことでしょう。もちろん、季節や選手の能力によって内容は異なりますが、大まかにいってこの目的でやっていると思います。
さて、ここで考えてほしいのは、こうしたウォーミングアップにおいて走る行為は貯蔵しているエネルギーを減少させてしまうということです。

こうしたことから、30kmやマラソンを走る方にとっては気を付けておいたほうがよい。なぜなら、以前の記事で述べたかと思いますが、エネルギーを上手く使って走らないと、エネルギー切れでペースを保てなくなってしまう。そのため、いかにエネルギーを節約して走るかが大事です。そのため、ウォーミングアップをせずにエネルギーを蓄えるという選択肢もありなのです。

初心者においてあまりウォーミングアップをせず最初の5kmはウォーミングアップのつもりで走りましょうという話や書籍も見受けられるのもこういう理由でしょう。
また、初心者だけではなく、エネルギー貯蔵量を考えると、いかにトレーニングを積んでいる競技者の場合でも、ウォーミングアップをやりすぎないということが重要。
さらに、競技場などで、海外選手はマラソンの前に走るといったウォーミングアップをあまりやらないというのもこういった理由も1つだと考えられます。
 
とはいえ、さすがに何もしないでいきなり走ることは体調の把握や膝のいたみなどを確認できないので行うべきではないでしょう。
そのため、本番の前には体操、walkやjogで15~20分くらいやっておくとちょうどよい。なお、この15~20分程度という時間は筋肉が温まるのに十分な時間とされている。これ以上やるというのはエネルギーを減少させてしまうことになる。

たまに練習のウォーミングアップと試合用のウォーミングアップとは異なる人や、練習時よりも試合では多めにウォーミングアップをする人もいますが、そうした方は実際にはやりすぎている場合が多い。
もし、マラソンにおいて前半は快調にいけるんだけども、後半失速してしまうという方は、オーバーペースという可能性もありますが、こうしたウォーミングアップにおける観点からも見直してみてはいかがでしょうか。
 
一方で、800m~5kmのような短い距離であれば、エネルギーを減少させてしまうことによるデメリットはマラソンより低いです。また、マラソンのようないわゆるゆっくりなペースで推移することはないため、速いペースで走れるようにやることはいろいろあるかもしれませんが、それでもやりすぎには気を付けたほうがよいと思います。
個人的には、先ほど述べたマラソンのウォーミングアップと同じで、それに流しを入れるくらいで十分だと思いますが。
 

「リディーアードのランニング・バイブル」に、ウォーミングアップに関して面白い話があったので引用します。
 
『1957年、フィンランドのサルソラが1500mの世界記録(3分40秒2)を樹立したとき、彼はいつも45分から50分かけてアップをしていたのだが、その日はちょっと違っていた。というのはレース前、彼は競技場近くのホテルで休んでいたのだが、彼を呼びに来るはずの人がそれを忘れてしまったのである。
 
スタート7分前、選手がフィールドに招集されたとき、ようやく関係者はサルソラがまだ来ていないことに気付き、大あわてで彼を呼びに行ったのだ。それで、サルソラは気が狂ったようにあわてふためいてトラックに駆けつけたが、彼にはいつもと同じようなウォーミングアップをする時間はない。幸い、それまでベッドに横になっていたから体は十分温まっていたので、彼は2、3回ウインドスプリントをしただけでスタートに付いたのである。
 
そして彼は世界記録で優勝したのである。
 
レース後、彼は「もし、いつも通りのウォーミングアップができていたら、いったいどんなにすごい記録になったことか」ともらしていた。しかし、その後、彼は、それまでのように長々とウォーミングアップしていたにもかかわらず、二度とあのように速く走ることはなかったのである。』
 

これからの季節はマラソンシーズンにもなってくるので、もし昨年度などでいつもマラソンで失速するという方やそれ以外の競技、トラック競技においても同様に、ウォーミングアップにおいて心当たりがあったら見直してみてはいかがでしょうか。
プロフィール
HN:
やぎ
性別:
非公開
自己紹介:
陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり

陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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