以前の更新からだいぶ空いてしまいました。
楽しみにしていた方、お待たせして大変申し訳ありません。
それでは今回は、部活やなんらかの集まりにて話題にのぼることも多い早朝練習、2部練習について考察していこうと思います。
さて、なぜ早朝練習、2部練を行うのでしょうか。
その考察についてはまず早朝練習についてどのような効果があるのか、それを理解してからではないと単に2部練習を行ったとしても故障のリスクを高めるだけなので、まず早朝練習について考察していきます。
早朝練習の目的について大きく分けますと、次のことが考えられます。
1つ目は身体を目覚めさせることにより、生活リズムを整える。2つ目は夕方の練習だけでは、不足する練習量の上積み。3つ目に体脂肪を減らすのに効果的である、つまり体重管理。
1つ目は朝しっかり起きてトレーニングすることにより、1日の生活リズムを整えやすくなるというのはよくいわれることですね。2つ目のは2部練に関する話なので後で。
さて、3つ目は朝練を行うと体脂肪を減らすことになるのか説明していきます。
なお、ここでは、基本的にエネルギー代謝の観点からみていきます。
基本的にエネルギー源は糖質、脂質であるのはおわかりかと思います。そして、運動強度や運動継続時間によってそれは変わってくることも。
しかし、朝食前と朝食後とでは、身体内に貯蔵されているエネルギー源の量が異なり、エネルギー源が十分でない。そして朝食前にトレーニングする方が脂質をエネルギー源として用いようとするため、早朝練習は体脂肪を減らすのに効果的であるということがよくいわれています。
一方で、運動で一時的に脂質酸化量が増えても、ある程度長い期間で比較すると食事量の増加により相殺されてしまい、運動によって増大したエネルギー消費量は糖質酸化量の増大によって補われるといった研究もありました。
つまり、体脂肪を減らすためにどれだけの運動をしても、食事量を増やしてエネルギーバランスが等しい状態ならば運動強度に関わらず体脂肪は減少しないということです。
とはいえ、一日のエネルギー消費量を考えて、朝食後より朝食前にトレーニングすれば脂質酸化量が増大する可能性はある。ただ、その場合、食事に気を付けないと体脂肪減少を目的とした早朝練習の意味はなくなってしまうということになりそうです。
また、早朝練習はまだまだ検討の余地が残されているそうです。グリコーゲンが枯渇した状態での運動には運動中の筋細胞内脂肪利用能力を高めたり、血糖値の維持能力を高める効果があるという説が発表されているそうです。この辺に関する論文はまだ読んでないのでこれ以上は申し訳ありません。
まとめると、色々と検討の余地は残されているものの、限定的ではあるが体脂肪減少を目的とした早朝練習は有効のようです。しかし、その場合、食事量に気を付けないと早朝練習は意味もないものになってしまうということですね。まぁ食事量に関してはどの時間帯にとっても気を付けなければなりませんが。
では2つめの2部練習の話に入りましょう。
さまざまな掲示板などで練習に関する話で「速くなるにはどうしたらいいですか」という質問で回答の中で上位に挙げられるもの一つに2部練することという回答があるでしょう。そもそも質問自体がおかしいと思うのですが、これは置いておきます。
この2部練の根拠としては、一般的に夕方の練習だけでは足りず、早朝に練習を加えることにより、練習量を増やせるということでしょう。早朝練習した後、朝食や昼食によりエネルギーが回復して、夕方の練習に向けることができるということなのかな。
一応、2部練習に関して論文探してみたんですが日本のじゃほとんど見つけられなかった。英語だとあるのかなぁ。
ということなので、これ以下は個人的な見解ですのでよろしく。
2部練習をすれば速くなると言われているけど、必ずしも必要なものではないと思う。
2部練習をすれば、それだけ身体にかかる負担は増すわけですし、故障のリスクも増大してしまう。たとえ2部練習を行ったとしても、故障してしまえば練習は中断されてしまうわけで、パフォーマンスの向上は見込めなくなってしまう。下手すれば、パフォーマンスが以前よりも低下してしまう可能性があるわけです。
確かに2部練習を行うことで、エネルギー源が1部練習の時よりも消費されることから、グリコーゲンの超回復の可能性が見込めるが、故障のリスクを考えると行うかどうか難しい所ですね。
さて、ここで1部練習を行っているトップレベルの選手の例を挙げてみます。
2部練習に関しては陸上関連雑誌など読んだらいくらでも探せると思うので、ここではとくに取り上げません。
まず、日本で1部練習を行っている有名な選手といえば川内優輝選手(以下川内選手)でしょうか。
川内選手も高校時代、2部練習を行っており、故障も多かったが、大学時代から1部練習で故障も減少したことから、練習が積めるようになったという記事もありましたね。そして、現在では日本においても指折りの現役マラソンランナーになったことから、2部練習から1部練習に変えて成功した一例だと思います。
海外でいえば、バーナード・ラガト選手も1部練習を行っているようです。
http://www.nytimes.com/2013/03/03/sports/bernard-lagat-training-for-nyc-half.html?_r=2&
とくにバーナード・ラガト選手は、1部練習により故障のリスクを下げていることが、現在38歳ながらもトップで活躍できている一つの理由であるとも考えられます。
このことから、速く強くなるには必ずしも2部練習を行う必要性はないのでしょう。
おそらく、1部練習と2部練習の間に差がつくのは練習を量と考えるのか、質として考えるのか、その違いだと思われます。つまり、これまでやればやっただけ強くなる、速くなるという考え方で1部練習というよりも2部練習に重きが置かれてきたのでしょう。
実際に2部練習を行うことにより、強く速くなった選手も多くいるのも事実です。その事実もあるため、単純に2部練習よりも1部練習の方が良いということはできません。
しかし、こういった情報が表に出てくるのは成功体験ばかりなのですから、その裏にあった事実を知ることも大切だと思います。たとえば、学校の部活の方針などにより2部練習を行うことによって故障が多く、成長できなかった選手もいる可能性も否定できないでしょう。その選手個人を考えると2部練習が良いとはいえないのです。
上に挙げた2人の選手も、練習を量よりも質として考えたこと、さらに故障のリスクを考えたことにより、1部練習という結論に至ったと考えられます。
このことから、1部練習にしても2部練習にしてもどちらが良いということは難しい問題です。
結局、能力を高めるには、身体的な強さや故障のリスクも考慮しながら一人一人に合った練習を行うことが重要なのだと思います。
さて、早朝練習と2部練習についての話を戻してまとめると
早朝練習のみを考えると脂肪に関する話としては有効性はある。
しかし、2部練習として夕方練習に早朝練習を加えて考えると、その強度の度合いにもよるが運動量の増大は図れるが故障のリスクは増大する。
あるいは、早朝練習をなくしてエネルギー源が十分にあり、身体も起きている夕方練習のみにするか。
うーん、簡単には答えが出ない問題です。
やはり身体的な強さ、個人の生活スケジュールを考えてやるべきという形に落ち着くのかなと思います。
ただ確実に言えるのは、速くなるにはどうするかの問い(部活の話として想定)に、安易に夕方練習とは別に早朝練習もやるべきだ、という答えを出すべきではないということです。
楽しみにしていた方、お待たせして大変申し訳ありません。
それでは今回は、部活やなんらかの集まりにて話題にのぼることも多い早朝練習、2部練習について考察していこうと思います。
さて、なぜ早朝練習、2部練を行うのでしょうか。
その考察についてはまず早朝練習についてどのような効果があるのか、それを理解してからではないと単に2部練習を行ったとしても故障のリスクを高めるだけなので、まず早朝練習について考察していきます。
早朝練習の目的について大きく分けますと、次のことが考えられます。
1つ目は身体を目覚めさせることにより、生活リズムを整える。2つ目は夕方の練習だけでは、不足する練習量の上積み。3つ目に体脂肪を減らすのに効果的である、つまり体重管理。
1つ目は朝しっかり起きてトレーニングすることにより、1日の生活リズムを整えやすくなるというのはよくいわれることですね。2つ目のは2部練に関する話なので後で。
さて、3つ目は朝練を行うと体脂肪を減らすことになるのか説明していきます。
なお、ここでは、基本的にエネルギー代謝の観点からみていきます。
基本的にエネルギー源は糖質、脂質であるのはおわかりかと思います。そして、運動強度や運動継続時間によってそれは変わってくることも。
しかし、朝食前と朝食後とでは、身体内に貯蔵されているエネルギー源の量が異なり、エネルギー源が十分でない。そして朝食前にトレーニングする方が脂質をエネルギー源として用いようとするため、早朝練習は体脂肪を減らすのに効果的であるということがよくいわれています。
一方で、運動で一時的に脂質酸化量が増えても、ある程度長い期間で比較すると食事量の増加により相殺されてしまい、運動によって増大したエネルギー消費量は糖質酸化量の増大によって補われるといった研究もありました。
つまり、体脂肪を減らすためにどれだけの運動をしても、食事量を増やしてエネルギーバランスが等しい状態ならば運動強度に関わらず体脂肪は減少しないということです。
とはいえ、一日のエネルギー消費量を考えて、朝食後より朝食前にトレーニングすれば脂質酸化量が増大する可能性はある。ただ、その場合、食事に気を付けないと体脂肪減少を目的とした早朝練習の意味はなくなってしまうということになりそうです。
また、早朝練習はまだまだ検討の余地が残されているそうです。グリコーゲンが枯渇した状態での運動には運動中の筋細胞内脂肪利用能力を高めたり、血糖値の維持能力を高める効果があるという説が発表されているそうです。この辺に関する論文はまだ読んでないのでこれ以上は申し訳ありません。
まとめると、色々と検討の余地は残されているものの、限定的ではあるが体脂肪減少を目的とした早朝練習は有効のようです。しかし、その場合、食事量に気を付けないと早朝練習は意味もないものになってしまうということですね。まぁ食事量に関してはどの時間帯にとっても気を付けなければなりませんが。
では2つめの2部練習の話に入りましょう。
さまざまな掲示板などで練習に関する話で「速くなるにはどうしたらいいですか」という質問で回答の中で上位に挙げられるもの一つに2部練することという回答があるでしょう。そもそも質問自体がおかしいと思うのですが、これは置いておきます。
この2部練の根拠としては、一般的に夕方の練習だけでは足りず、早朝に練習を加えることにより、練習量を増やせるということでしょう。早朝練習した後、朝食や昼食によりエネルギーが回復して、夕方の練習に向けることができるということなのかな。
一応、2部練習に関して論文探してみたんですが日本のじゃほとんど見つけられなかった。英語だとあるのかなぁ。
ということなので、これ以下は個人的な見解ですのでよろしく。
2部練習をすれば速くなると言われているけど、必ずしも必要なものではないと思う。
2部練習をすれば、それだけ身体にかかる負担は増すわけですし、故障のリスクも増大してしまう。たとえ2部練習を行ったとしても、故障してしまえば練習は中断されてしまうわけで、パフォーマンスの向上は見込めなくなってしまう。下手すれば、パフォーマンスが以前よりも低下してしまう可能性があるわけです。
確かに2部練習を行うことで、エネルギー源が1部練習の時よりも消費されることから、グリコーゲンの超回復の可能性が見込めるが、故障のリスクを考えると行うかどうか難しい所ですね。
さて、ここで1部練習を行っているトップレベルの選手の例を挙げてみます。
2部練習に関しては陸上関連雑誌など読んだらいくらでも探せると思うので、ここではとくに取り上げません。
まず、日本で1部練習を行っている有名な選手といえば川内優輝選手(以下川内選手)でしょうか。
川内選手も高校時代、2部練習を行っており、故障も多かったが、大学時代から1部練習で故障も減少したことから、練習が積めるようになったという記事もありましたね。そして、現在では日本においても指折りの現役マラソンランナーになったことから、2部練習から1部練習に変えて成功した一例だと思います。
海外でいえば、バーナード・ラガト選手も1部練習を行っているようです。
http://www.nytimes.com/2013/03/03/sports/bernard-lagat-training-for-nyc-half.html?_r=2&
とくにバーナード・ラガト選手は、1部練習により故障のリスクを下げていることが、現在38歳ながらもトップで活躍できている一つの理由であるとも考えられます。
このことから、速く強くなるには必ずしも2部練習を行う必要性はないのでしょう。
おそらく、1部練習と2部練習の間に差がつくのは練習を量と考えるのか、質として考えるのか、その違いだと思われます。つまり、これまでやればやっただけ強くなる、速くなるという考え方で1部練習というよりも2部練習に重きが置かれてきたのでしょう。
実際に2部練習を行うことにより、強く速くなった選手も多くいるのも事実です。その事実もあるため、単純に2部練習よりも1部練習の方が良いということはできません。
しかし、こういった情報が表に出てくるのは成功体験ばかりなのですから、その裏にあった事実を知ることも大切だと思います。たとえば、学校の部活の方針などにより2部練習を行うことによって故障が多く、成長できなかった選手もいる可能性も否定できないでしょう。その選手個人を考えると2部練習が良いとはいえないのです。
上に挙げた2人の選手も、練習を量よりも質として考えたこと、さらに故障のリスクを考えたことにより、1部練習という結論に至ったと考えられます。
このことから、1部練習にしても2部練習にしてもどちらが良いということは難しい問題です。
結局、能力を高めるには、身体的な強さや故障のリスクも考慮しながら一人一人に合った練習を行うことが重要なのだと思います。
さて、早朝練習と2部練習についての話を戻してまとめると
早朝練習のみを考えると脂肪に関する話としては有効性はある。
しかし、2部練習として夕方練習に早朝練習を加えて考えると、その強度の度合いにもよるが運動量の増大は図れるが故障のリスクは増大する。
あるいは、早朝練習をなくしてエネルギー源が十分にあり、身体も起きている夕方練習のみにするか。
うーん、簡単には答えが出ない問題です。
やはり身体的な強さ、個人の生活スケジュールを考えてやるべきという形に落ち着くのかなと思います。
ただ確実に言えるのは、速くなるにはどうするかの問い(部活の話として想定)に、安易に夕方練習とは別に早朝練習もやるべきだ、という答えを出すべきではないということです。
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HN:
やぎ
性別:
非公開
自己紹介:
陸上歴10年目のものがこれまでの経験、知識に加えて学会などの情報をまとめたものを陸上理論としてメモしておくブログです。
この世には常識とされていたものは非常識、また非常識とされていたものは常識となっています。それも含めいろいろ考察していくつもり
陸上生活に関する日記はリンクにあります。
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